Googleマイビジネス上でMEOを意識したキーワードライティングをする方法
検索順位を上げる「SEOライティング」に引き続き、サービス提供地域や地図情報を意識した「MEOライティング」のコツをまとめました。自社サービスのローカルSEO、MEO、Googleマイビジネス(GMB)の運用を担当している方は、ぜひご参照ください。
残念ながら現状はGoogle検索専用の情報のみです。追々Yahooのローカル情報強化対策もまとめる予定です。
MEO・ローカルSEOでキーワード選定時に考慮するポイント
ノーマルなSEO施策と同様にローカルSEOの場合も、グーグルサジェストキーワード一括DLツールなどを使って自社ビジネスと関連性が高いキーワードを抽出し、 Googleのキーワードプランナーでターゲットとする地域を絞って、キーワードの月間検索回数を調査します。
関連リンク: 検索順位を上げるSEOを意識した「コンテンツライティング」の手順
スプレッドシートなどで「キーワード・月間検索数・現状のランクイン順位」を整理し、キーワードをカテゴリに分け、同カテゴリのかたまりを作っていきます。その中から、
- サービスと関連し、コンバージョンする可能性が高い
- 月間検索数がそれなりにある(サイト規模にもよるが月間平均検索数10〜100回以上で10回以下は除外)
- 勝ち目がありそう、ライバルが少なそう(すでに上位にランクインしている、競合性が「高」ではない、など)
といった観点で「有望カテゴリ」と「有望キーワード」を選定。さらにターゲット地域を限定したMEOキーワードの場合は、下記のことも検討します。
- その検索キーワードで地図情報を見るか?
- 「地図」の検索結果表示を優先しているか?(検索結果の「すべて」の横に優先的に表示されているか?SERPsで動画や画像より「地図」の表示が上の方にあるか?なお、PC・モバイルで優先度が変わることもあります)
- キーワードプランナーで ターゲット地域を絞って 該当の都市で検索回数がそこそこ(月間平均検索数10〜100回以上)あるか
これらを意識すると、通常のSEOよりも計測キーワードは相当絞られてくるはずです。
まずは提供サービスと商品カテゴリ、業種名、セールスポイント、それらを言い換えた表現(類語辞典、シソーラス等を参照)を選定し、それぞれの月間平均検索回数をキーワードプランナーで調査します。さらに、それぞれのキーワードの対象エリアを絞り、場合によっては広げたり狭めたりして、それぞれの検索回数を調べます。
なお、サービス内容によってターゲットにするエリアを都道府県レベル(例:埼玉県)に設定するのか、それとも市区町村(例:さいたま市)にするのかはそれぞれのケースで判断します。
例:団体客に利用してほしい「浦和のレストラン」が狙うキーワードは?
それでは、「浦和で50〜60席ほどの座席がある“架空の”レストラン」を例に取り、どういったキーワードでローカルSEOを強化していくかを考えていきます。平日は個人のお客様を中心にランチやディナーを提供しているけれども、土日は大口の収益が見込める団体客に利用してもらう集客計画を立てたとしましょう。
そこで、さいたま市周辺で結婚式の二次会や、レストランウェディングの会場を探している人に一旦ターゲットをしぼりました。Googleの検索窓に「結婚式 二次会」と入力すると、検索上位には結婚系ポータルサイトのリスティング広告や、「二次会開催のメリット・デメリット」といったノウハウ記事、そして浦和・大宮近辺の結婚式場やパーティーが開ける規模のレストラン情報をまとめた記事などが表示されます。
そして下記のようなGoogleMapの地図情報、通称「ローカルパック」も上位に食い込んでくることがわかりました(下記はモバイルのローカルパック3)。
以上のことから「結婚式 二次会」というキーワードで検索するユーザーは、二次会を開催する「場所」を探している人(新郎新婦、二次会幹事などの関係者)だとGoogleは想定しているようです。そこで、さいたま市内の検索ユーザーをターゲットとし、「結婚式 二次会」というキーワードで地図情報の上位表示を目指すことにしました。
しかし「結婚式 二次会」にプラスして「服装」も検索キーワードに含むと、今度は二次会にふさわしい服装マナーをまとめた記事や、WEARの二次会コーディネートページ、ショッピングページや画像などがズラズラっと表示され、地図情報が入り込む余地はありませんでした。
つまり「浦和のレストラン」が団体客に結婚式の二次会やウェディング会場として使ってほしい場合、ターゲットとして想定するのは、埼玉県内、あるいはさいたま市内で「結婚式 二次会」というキーワードで検索するユーザーであり、「結婚式 二次会 服装」と検索するユーザーではない、ということです。
「結婚式 二次会」につらなる検索キーワードの候補として考えられるのは、
- 結婚式 二次会 会場(さいたま市における月間平均検索ボリューム10〜100回)
- 結婚式 二次会 予約(〃10〜100)
- 結婚式 二次会 レストラン(〃10〜100)
- 結婚式 二次会 おすすめ(〃10〜100)
さらに、
- 結婚式 二次会 浦和(〃10〜100)
- 結婚式 二次会 大宮(〃10〜100、競合性・中(※))
- 結婚式 二次会 さいたま新都心(〃10〜100、検索地域を「さいたま市」から「埼玉県」に変えると競合性・中(※))
- 結婚式 二次会 さいたま市(〃10〜100)
といった地域ワードを入れたもの。そして関連性のあるキーワードとして、
- 浦和 パーティー(〃10〜100)
- 大宮 パーティー(〃10〜100)
- さいたま市 パーティー(〃10〜100)
- 結婚式 二次会 居酒屋(〃10〜100)
このあたりを強化キーワードとして検討してみると良いかもしれません。
※さいたま市で「結婚式 二次会 大宮」と検索した場合の競合性は中レベル、埼玉県で「結婚式 二次会 さいたま新都心」と検索すると競合性・中、ほかのキーワードでは計測不能を表す「-」か「低」でした。
また、最後の「結婚式 二次会 居酒屋」というキーワードには「庶民的なお店で二次会をしたい」という要望が見て取れ、レストランだとユーザーの希望にそぐわない可能性があります。「結婚式 二次会 居酒屋」で検索したときに表示される自サイトページのCTR(ページへのリンクがクリックされた回数/SERPsに表示された回数)や、ページに到達したユーザーのCVR(コンバージョンレート)、PV、滞在時間などをしばらく注視し、ほかのキーワードと比べて数値が著しく低いようであれば、「居酒屋」は強化の対象からは外した方が無難かもしれません。
キーワード強化の対象となるGoogleマイビジネスの投稿は?
GMBでキーワード強化の対象となるのは、すべてのテキスト情報です。つまり、
- 店舗・会社のビジネス情報(紹介文)
- 商品案内
- サービス案内
- 最新情報の投稿
- ユーザー口コミ
- 口コミへの返信
などです。これらに対し、選定したキーワードを自然な形で反映していきます。それでは、2020年10月現在の入力項目を一気にご紹介します。
Googleマイビジネスの入力項目(2020/10現在)
営業情報
- 定休日
- 営業時間
- 電話番号
- ホームページのURL(タグを仕込んでGoogleAnalyticsでGoogleMap経由だとわかるようにするとベター)
- ビジネス情報(750文字以内)
- 開業日
商品・サービス
- 商品カテゴリー・商品名
- 商品内容(1,000文字以内)
- 商品価格(なし、固定、価格帯)
- 商品ボタンの種類(購入・詳細・特典を利用)・リンク先URL
- サービスカテゴリー・サービス名
- サービス内容(300文字以内)
- サービス価格(なし、固定、フリー、価格帯)
写真
- 店内
- 外観
- 職場
- チーム
- 動画
- カバー
- ロゴ
投稿(制限文字数不明)
- クーポン
- 最新情報(定休日・営業時間変更、新商品・新サービスのお知らせ、新規ページ追加、新スタッフ紹介、ブログ更新のお知らせ等)
- イベント
口コミ(制限文字数不明)
- 投稿者名・投稿内容
続いて、それぞれの入力項目を埋めるうえで気をつけるポイントを解説します。
「ビジネス情報」は750文字以内で簡潔にまとめる
ビジネス情報は750文字以内で、選定した複数キーワードを網羅した内容にまとめます。750文字、フルで書かなくても結構ですが、ビジネス情報として書ける内容を書きつくしましょう。また、不必要にキーワードを乱発するのはNGです。「自然な流れ」で「必要十分でわかりやすい内容」を「簡潔に」まとめます。
選定したキーワードが一般人に理解しにくい専門用語だった場合、補足説明などを付記し、多くの人が理解しやすい親切な案内文になるように整えます。また、選定キーワードに該当しない専門用語はむやみに使わないようにしましょう。
簡潔に文章を書こうとすると、言葉足らず、文章のねじれ、体言止めの連続、同じ文末の連続、重複表現、文体のバラツキ(ですます、だである、の混在)などが発生しやすくなります。何度も推敲し、できれば大勢の人に見てもらってブラッシュアップをしていきましょう。
最もコンバージョンしやすい「商品・サービス案内」
商品案内文は1,000文字以内、サービスは300文字以内でまとめます。クライアントと相談の上ですが、商品名、サービス名にもズバリのキーワードが当てられるとベターです(例:北本トマトカレー、秩父みそポテト、越生の梅酒)。
ビジネス情報と同様に、商品・サービスの案内文にも自然な形で選定したキーワードを反映します。その商品・サービスと関連性の高いキーワードや、言い換え表現(例:DtoC(またはD2C))などもユーザーが不審に思わない自然な形で入れていきましょう。
商品紹介テキストの下部には、購入・予約・詳細などのリンクボタンが入れられるので、該当ページもしくは購入リンクなどを挿入して、コンバージョンを促進できます。
告知・お知らせ・キャンペーンなどの「投稿」
クーポン発行やイベント開催、新メニューの追加、営業日時の変更、サイト更新のお知らせなど、なんでも書けるのが「最新情報の投稿」です。こちらにも選定キーワードを自然な形で絡めていくといいでしょう。
また昨今では、新型コロナ対策情報などの安全面に関するお店・企業の取り組み情報が検索ユーザーには求められています。
- ソーシャルディスタンスや3密を防ぐための配置が取られているか
- 換気設備が整っているか
- パーテーションやアクリルボードなどで席は区切られているのか
- 従業員や来場者の体温は計測されているか
- 熱のある従業員は出社しないなどの対策は取られているか
- アルコール消毒液などの備品があるか
- GoToトラベル・イートなど各種キャンペーンの対象店舗か
といったお客様にとって重要な情報をこまめに発信していき、信頼関係の強化に努めましょう。
「ユーザーコメント」と「返信」もキーワード強化対象
ユーザーの口コミや、それに対する返信の内容もキーワード強化の対象となります。
口コミをコントロールするのは不可能ですが、返信の文面は自由です。自社サービスの案内が自然に入れられそうであれば、選定キーワードを取り入れても構いません。ただしあまりに宣伝臭がするとユーザーには嫌われてしまい、新たな批判コメントを呼んでしまう可能性もあるので、あからさまなSEOはここでも控えます。
当社では自社GMBのほかにクライアント企業のGMBをいくつか管理しており、実際の運用過程でわかったことがあります。Googleのアルゴリズムは、ユーザーの口コミに含まれる業務関連の文言や、地名、そしてポジティブな表現を太字で強調する、ということです。たとえば「浦和 ラーメン」のSERPs上位にランクインしたラーメン屋さんの場合、「浦和駅」という地名キーワードのほか、「太麺」「鶏白湯」「豚骨スープ」「トッピング」といったラーメンのメニューに関連する文言を太字で強調していました。
また企業についた口コミの場合は、「信頼」「丁寧」「親切」「フォロー」といった高評価を表すユーザーの言葉を太字にしています。しかし関連性の高い文言や、ポジティブな表現の多さを「検索順位付け」の参考にしているかというと、そのあたりは不明です。
当社のGMBで、あるお客様からいただいたコメントを見ると、このように表示されます。
5つ星の下に「高評価:プロ意識,値,品質」と表記されているのは、お客様のコメントでも私達のコメント(オーナーからの返信)でもなく、Googleがお客様のコメントから汲み取った印象を“勝手に”表記しているだけのようです。高い評価がもらえて、この上なくありがたいのですが、逆にここにネガティブな言葉が表記されないようオーナー側がコントロールするのは、大変困難なように思えます。
それでは、良い印象を与える返信内容(Google公式)を参考にしつつ、ユーザーコメントへの返信のポイントをまとめておきます。
種類別の返信ポイント
基本
- 冒頭にGoogleユーザー名+様
- まずはコメントor評価に対する「お礼」や「喜び」の気持ちを述べる
- 相手の情報・状況(5W1H)とコメント内容に基づいて、個別に感謝やお詫びの言葉を伝える
- テンプレ対応にならないよう、返信コメントは都度考える
- 顧客(購入・来店・取引に至った人)や面識のある人にはとくに丁重に対応したいが、 個人情報に結びつく内容や気分を害する恐れのあるコメントは厳禁
好評のコメント
- 褒め言葉を引用し、うれしい、励みになる等の「気持ちの表明」と「お礼」を欠かさない
批判のコメント
批判の言葉を引用し、それを真摯に受け止める姿勢を示し、「お詫びの言葉」とともに「改善の意向」も伝える
評価のみ★3〜5
評価へのお礼と、知っている人であれば、その人に合わせた返事を送る
評価のみ★1〜2
何が到らなかったのか不明の場合も「反省の姿勢」と「お詫びの言葉」「改善の意向」などを返す
締め
好評、批評、評価、いずれの場合でも、次につながる内容を考案し締める(今後とも末永く〜、またのお越しを〜、応援してもらえるよう精進する〜など)
まとめ
今回はGoogle検索中心のローカルSEO・MEOに基づいたコンテンツライティングについてまとめました。
Google・Yahoo検索の検索結果画面(SERPs)構成は日々変化しており、SEOやMEOの強化には最新情報の収集活動が欠かせません。変化についていけない、情報収集が面倒だ、そんな方はぜひ当社のSEO/MEOチームにご相談ください!
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