検索順位を上げるSEOを意識した「コンテンツライティング」の手順

まず御社のWeb集客施策が、事前のSWOT分析や顧客体験分析などから「コンテンツマーケティングによるSEO強化」が最適であると判明したとします。
それらの分析・調査を受け、Webサイトで強化すべきキーワードをまずは抽出していきましょう。

当社で使用するツール

  • Google:Analytics、SearchConsole、キーワードプランナー、トレンド
  • Webサイト:グーグルサジェストキーワード一括DLツール
  • キーワード順位調査(有料):GRC、GRCモバイル、ジャイロンSEO
  • スプレッドシート:Excel(有料)もしくはGoogleスプレッドシート(無料)
  • WordPress等で構築され内部SEOが実装されたサイト更新システム

サイトで強化すべきキーワードの抽出手順

最重要キーワード(ビッグキーワード)に付随するサジェストキーワード(ミドルキーワード、スモールキーワードとも言う)の抽出は、各ブラウザのGoogle検索のサジェストエリアでも可能ですが、グーグルサジェスト キーワード一括DLツールの利用が便利です。

たとえば「コンテンツマーケティング」と入力すると、「コンテンツマーケティング アフィリエイト」「コンテンツマーケティング アメリカ」「コンテンツマーケティング アメブロ」といったように、ミドルキーワード、スモールキーワードの候補を、あいうえお順、ABC順に片っ端から一括でダウンロードできます。

さらにそれぞれのキーワードの検索ボリュームを知るには、Googleキーワードプランナーで「月間平均検索数」を調べます。一回につき10個分しか入力できないので、「入力、検索、検索回数確認」を何度か繰り返します。2020年現在、無料で調査するにはこの方法しかありません。

月間検索数10回以下でも「将来性があるもの」「季節ごとに変化するもの」などは残す

各キーワードの検索需要をキーワードプランナーで調べると「0〜10回」というものがいくつか出てくると思います。
これは1ヶ月あたり10回以下しか検索されないキーワードで、検索需要が大変低いということです。

「コンテンツマーケティング」に付随するサジェストキーワード例

  • コンテンツマーケティング 事例/月100~1000回
  • コンテンツマーケティング メリット/月100~1000回
  • コンテンツマーケティング 種類/月10~100回
  • コンテンツマーケティング インターン/月10~100回
  • コンテンツマーケティング インスタ/月0〜10回
  • コンテンツマーケティング 引用/月0〜10回

上記にある「インスタ」や「引用」といった検索需要が極端に低いキーワードに特化したコンテンツを作成しても、ユーザーや見込み顧客の増加は望めません。
とはいえ現時点で検索需要が少なくても、将来性が見込めるものや、季節需要が絡むものにはまだ希望が持てます。

たとえば2024年に開業を予定している「幕張新駅」の現時点の月間平均検索数はわずか100〜1,000回です。しかしニュース番組や各種メディア等で幕張新駅を取り上げる機会が増えてくるにつれ、検索回数はどんどん伸びていくはずです。

なので検索数が少ないからといってすぐに排除するのではなく、将来性やトレンド、季節要因などを加味して、キーワードを残すか残さないかを決定しましょう。

キーワードを同じカテゴリに分類する

ExcelやGoogleスプレッドシートなどで「キーワード」「月間平均検索数」を並べたら、キーワードをカテゴリ分けして大きなかたまりを作っていきます。

たとえば、「コンテンツマーケティング」に付随するサブ・ミドルキーワードは下記のように整理できます。

  • EXPO、セミナー、ウェビナー、デイ、勉強会→「イベント」
  • 北欧暮らしの道具店、土屋鞄、熊野古道、ライオン→「成功事例企業」
  • Amazon、いちばんやさしい、64の法則、本 おすすめ→「本」
  • ec、インバウンド、不動産、銀行→「業種・業界」
  • カスタマージャーニー、指標、コンバージョン、PDCA→「手法・用語」
  • アプリ、インフォグラフィック、ホワイトペーパー、メルマガ→「種類」
  • アルバイト、インターン、採用、未経験、資格→「求人」
  • 稼ぐ、アフィリエイト、無料→「コンバージョン低」

カテゴリ分けが一段落したら、サイトの目的を考慮し「アクセスを集めやすい」あるいは「自社サービスにコンバージョンしやすい」等の視点で「有望なカテゴリ」を残していきます。

上記でいうと「コンバージョン低」や「成功事例企業」、イベント開催の目処が立っていなければ「イベント」、採用予定が当分なければ「求人」カテゴリなどをボツのシートに移動させておきます。

自サイトを順位調査して現状を分析する

シートを整理したら、有望なキーワードで自サイトの順位が現状で何位にランクインしているかを調査します。新規サイトの場合も今後の順位推移を調査するため、初期に調査キーワードを設定しておきましょう。

無料の順位調査ツールもありますが、「検索順位チェックツールGRC」や「ジャイロンSEO」といったリーズナブルな料金設定の有料ツールを使った方が効率的です。
GRCの場合、検索順位データはcsvでダウンロードできるので、Vlookup関数などを使ってExcelやスプレッドシートで順位表を作成し、週間・月間ごとに推移を集計し管理していきましょう。

11位〜20位以内にランクインしているキーワードに注目!

有望なキーワードの中で一番最初に注目したいのは、検索結果の2ページ目(11位〜20位)あたりにランクインしているキーワードです。2ページ目なら早期に1ページ目(1〜10位)への順位上昇が望めるからです。

2ページ目から1ページ目への移動は微々たるものに見えますが、検索エンジンからのアクセス数は如実に増加するはずです。
早い段階で「アクセスアップ」という成果が出ると、PDCAサイクルのスピードとSEO効果にも加速がつきます。

コンテンツ更新のロードマップ・進行管理表を作成する

出来上がったキーワード表の情報をもとに、実際の記事ライティングに落とし込んでいきます。まずはキーワードごとに更新する優先順位の高低を判断し、キーワードに合わせてコンテンツタイトルを作り、更新管理表を作成しましょう。

  • 20位までにランクインしているもの
  • サイトにとって必要不可欠な内容
  • サービス内容に直結するもの
  • コンバージョン率が高そうなもの
  • 業界動向・トレンド・季節を意識したもの

などの優先順位は高めに。逆に、

  • アクセス数を増やすのは容易でもサービスにコンバージョンしにくそうなもの
  • 検索需要が高まるのは当分先になりそうなもの
  • サービス外のもの

などの優先順位は「低」か「無し」に設定しましょう。

これらのバランスをとりつつ、月・週のどのタイミングで更新するのか、どのくらいのペースで更新できそうか、キーワード順位の集計はいつ実施するか、などを考えながら、更新する内容と日程を決めていきましょう。

コンテンツ管理表の例

コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定のやり方,コンテンツマーケティングで重視すべきは記事数か文字数か,コンテンツマーケティングとSNSの組み合わせ方,コンテンツマーケティングは外注がおすすめな理由

そして実際に更新していった結果、キーワード順位の推移やアクセス解析の結果が芳しくない場合は、スケジュールの変更やコンテンツ内容の変更、さらに重視すべきキーワードの変更なども検討していきます。

このように一度作ったロードマップはそれっきりではなく、場合によっては作り変えることも必要です。

SEOライティングにおける「6つ」の注意ポイント

1.その検索キーワードでたどり着いた人が欲している「有益な情報」を書く

キーワードライティングにおいて、このポイントがもっとも重要です。
いくらタイトルに重要なキーワードを入れても、文中で何度キーワードを連呼しても、検索したユーザーの要望に則した内容になっていなければ、各エンジンの検索結果上位には表示されません。

小手先のSEO対策が通用した時代は遠い昔に終わったのです。

2.“必要に応じて”タイトル・見出し・本文にキーワードを盛り込む

1.を満たしたうえで、あくまで必要に応じた形で重要キーワードをタイトル・見出し・本文に使います。

3.不自然な「キーワードの連呼」は厳禁

キーワードの頻出は無意味です。「気持ち悪さ」「不自然さ」を感じたら、ばっさり削除するか代名詞を使いましょう。

4.関連キーワード、言い換え表現、表記ゆれなどの要素は自然な形であれば盛り込んで良い

「ユーザビリティが向上する」などの必然性があればOKです。

5.どのサイトにも載っていないユニークな情報であることが望ましい

「ユニークな情報」と聞くと、「私だけが知っている会社メンバーの秘密情報」や、「独自の形容・表現が特徴的なグルメ情報」といったものを思い浮かべる人がいるかもしれません。
これはこれで面白い記事になるかもしれませんが、独自の切り口で定番の情報を語るだけでも「ユニークな情報」になり得ます。

たとえば「失恋したときに聴きたい泣ける10曲」というタイトルの記事があったとしましょう。
世代や性別ごとに10曲のラインナップは異なりそうですが「どうせアレとかアレでしょ?」とだいたいの予想がつき、多くの人の興味をひくには厳しそうです。また、こういった記事は競合も非常に多いもの。

そこで「【男目線限定】涙腺が崩壊する昭和歌謡の失恋ソング3曲」だとどうでしょうか?
昭和歌謡が好きな男性向けのニッチな内容になりそうですが、

  • アーティスト情報
  • 作詞・作曲・編曲・プロデューサーなどの情報
  • リリースしたレコード会社
  • リリース年月日
  • 昭和の時代・社会背景
  • CM・ドラマ・映画等のタイアップ情報
  • 曲の情景描写
  • モデルとなった人物・場所
  • 泣けるポイント解説

などを添えれば、多くの人にとって興味深い内容になりそうです。

たとえば、1曲目がチューリップ(財津和夫)の『サボテンの花』、2曲目がオフコースの『さよなら』だとします。

黄色いチューリップとサボテンとなにかの花

この二つのグループは当時さまざまな評論家がよく比較していましたが、お互いはどんな印象を持っていたのでしょうか?
ちょっと検索しただけでも、小田和正、財津和夫、松任谷由実が作詞作曲し、坂本龍一が編曲(ついでに高橋幸宏がドラムを担当)した『今だから』という楽曲の情報が出てきますし、調べれば調べるほど双方のエピソードは掘り起こせそうです。

そして残りの一曲は…あとはご想像におまかせします。

6.文字情報だけでなく「図解」や「動画」も有効に使うべし

キーワードに適したオリジナルの写真・図解・イラスト、そして動画の使用もSEO効果が望めます。
画像や動画にかんするSEO解説は、それだけで膨大なテキスト量になりそうなので、別の機会に展開したいと思います。

動画需要は急上昇中!BtoB向け動画マーケティングをWithコロナの今やるべき理由

やってみてわかった動画SEO・VSEO|YouTube検索順位上昇のポイント

「文字数」にセオリーなし。では「記事数」は?

一つのキーワードを強化するのに記事の文字数はどれぐらいが適切か?といった疑問を持つ人が多いかもしれませんが、残念ながら文字数にセオリー(定説)はありません。

先の段落であげたように、「その検索キーワードでたどり着いた人が欲している「有益な情報」を書くことが最も重要」であり、「文字数は何千文字以上が望ましい」とは言えないのです。

たとえ1,000文字に足りなくても、読者やGoogle等の検索エンジンが「この情報はとてもためになる」と判断すれば上位表示は可能です。

逆にSEOと「記事数」のセオリーははっきりしています。一つの検索キーワードで複数ページがランクインしてしまうと効果分散が起こり、複数ページともにランクダウンしてしまう可能性があります。
なので「1記事1メッセージ」を心がけ、なるべく記事重複が起こらないように作成していきましょう。

なお、Web記事のコンテンツライティングについて基本的なことが知りたい、という方は下記記事をご参照ください。

Web記事のコンテンツライティング、基本の10ヶ条

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今回は「SEO対策を意識したコンテンツライティング」についてご紹介しました。
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【中小企業のコンテンツマーケティング必勝ガイド】インハウス編集者・ライターより外注をオススメする理由

次回続編では「地域検索・MEOを意識したライティング」を更新する予定です。お楽しみに!

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創業2011年から現在まで、およそ200社のWebサイト・コンテンツ制作・コンサルティングを手掛けてきたWeb専門代理店です。営業に関するお知らせやプレスリリースのほか、当社で蓄積したWebマーケティングに関する知的資産(ナレッジ)を公開します。執筆者はデザイン、開発、SEO、コンテンツマーケティング、営業など各部門の専門家です。