WEB記事における「」『』()“” などの括弧群の取り扱いと、海外ドラマに出てくる「カニポーズ」の謎

当サイトで以前更新した、【WEBライターを目指す人へ】文章を書く上で気をつける21のポイントという記事上で、鉤括弧「」や二重鉤括弧『』、丸括弧()など、括弧群の取り扱いについて触れたことがあるのですが、あまりにもサラッとした紹介だったので、今回はもう少し詳しく説明したいと思います。

「」は会話文や、単語を際立てる強調で使用

「」は会話文だけでなく、強調の意味でもよく使う括弧です。

例文
皆さんは「ファンゾーン」という単語をご存じでしょうか?

HTML記法では「strong」や「em」、「b」といったタグが強調の意味を持ちますが、デザイン上で設定されたスタイル(カスケードスタイルシート)によっては、かえって見づらくなってしまうこともあります。見やすさを求めるなら、デザイナーやHTMLコーダーに調整を依頼をするか、スタイルを自分で追加するか、といった判断と追加の工程が必要です。

当社で受託しているWEB案件に限ると、スタイルシートを修正・追加する作業は、「コンテンツ編集」という業務の範囲外の工程になります。また、担当編集者によってHTMLやCSS知識にはバラつきがあり、コンテンツ部署外に依頼が発生することもあるため、別途料金を請求する可能性が出てきてしまいます。

案件によっては、WEB制作・デザインを含まない記事寄稿(+記事内だけのHTML調整)のみを受託しているケースもあるので、その場合スタイルシートにはタッチできません。

上記のような事情から、手っ取り早く文字列を強調したい、となった場合、「」でくくることを選択する場面が多々あります。

『』は文芸・映画・番組などの作品名で使用

『』は作品名などを表記するときに使うのがスタンダードで、使用頻度はあまり高くありません。稀に「」内でさらに「」を使いたいときに入れ子で使用しますが、この場合の出番も少ないでしょう。

例文1
北海道が舞台となった映画は数多くありますが、筆者の記憶にもっとも残っているのは、金子修介監督の『ガメラ2 レギオン襲来』です。

例文2
伝聞とは、「昨日彼に会ったとき『あいつは元気にしているか?』と聞かれたよ」といったように、人から伝え聞いたことを述べる言い方です。

もっとも頻出する()

補足説明や、心の声などでよく使う()ですが、()内が長いと、どこからどこまでが補足のテキストなのかわかりづらくなり、読者は混乱します。多用している文章はあまりスマートではないので、必要最小限にとどめたいものです。

例文
ガメラは腹部を開口させると、これまでのプラズマ火球とは比べ物にならないほどの巨大なプラズマ光線(ウルティメイト・プラズマ)を発射。

“”には要注意

“”は引用符として、または強調したい単語を囲むときに使用します。ただし、ブラウザによっては非常に見づらい表記なので、WEB媒体では避けられる傾向があります。

使用するときは、“引用したい単語”と左右対で使い、”引用したい単語”とするのは好ましくありません。ただしブラウザによっては、これらの違いが大変わかりづらいので、やはり使用しない方が無難です。

海外ドラマにおける「カニポーズ」は「引用」を意味している

余談ですが、海外ドラマなどで、登場人物がピースサインを少し曲げたようなポースを取りながら言葉を発する場面を目にしたことはないでしょうか?あれは別にカニのマネをしているわけではありません。

あのポーズは両手の指4本でダブルクォーテーション(“”)を表し、ポーズを取っている最中に発する言葉を“強調”するジェスチャーで、「エアクオート」(finger quotes)と言うそうです。

また、他人の言葉を引用し、「彼は“〜〜〜”と言ったんだ(誰もそうは思わないけどね!)」などと皮肉や嫌味のニュアンスを込めることも多いそうです。

エアクオートの場合、その単語を純粋に引用として使っているのか、それとも嫌味を込めたのか、ただふざけているだけなのか、発言を聞いただけでは正確な意味を理解できないかもしれません。そんなときは、カニポーズを取った瞬間の発言者の「表情」に注目しましょう。

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立見

Webコンサルタント/Webマーケティング/広報/新規サービス企画/一部制作物の執筆・校閲・校正
2016年にフリーランスライターとしてSSCへ営業訪問。翌年4月に正式入社し、Webライター、コンテンツディレクターを経て、現在は受託案件のSEOディレクター、自社Webマーケティング、サービス企画、広告運用、自社SNS運用等に従事。入社以前はWeb系広告代理店にて各種Webメディア、企業のオウンドメディア等のコンテンツ制作や広告運用に携わっていた。