不動産業種のコンテンツマーケティング成功事例・自然検索アクセス数増加グラフと実行内容をお見せします!

当社では、不動産業種のコーポレートサイト・採用サイト等の構築やLPデザインなどを多数手がけており、同時に「コンテンツマーケティング」の領域まで担当させてもらえる機会が増えました。

今回はそんな不動産業種サイトの中から、BtoB企業のA社と、BtoC企業のB社のコンテンツマーケティング成功事例をご紹介します。

なお、コンテンツマーケティングは単独の施策ではなく、内部SEOを意識した「サイト構築」もセットで考えることが重要です。その理由については最終段落で詳細に述べます。

目次

【自然検索アクセス数が前々年の6.6倍!】BtoB企業の不動産業A社の場合

A社は不動産業者向けサービスを展開しているBtoB企業です。
2年4ヶ月前にサイトリニューアルを実施し、同時にコンテンツマーケティングの運用も開始しました。

まず、サイトに到達した際の「検索キーワード」などのデータ推移が見られるSearch Consoleで、2019年7月頭から2020年7月頭までの1年分のデータを計測・分析します。

A社:自然検索アクセス数はこの1年で約2倍に増加

BtoB企業A社のクリック増加率

多くのBtoB企業サイトと同様に、年末年始、夏季休暇、GWなどの長期休暇期間中や土日の検索需要は低下します。
そこで、昨年と今年の7月第1水曜日の表示回数とページ到達数(クリック数)を単純比較したところ、今年はコロナ禍中に関わらず、不動産業界内の検索需要は衰えず、堅調に2倍に増加していることがわかりました。

不動産業界内の検索傾向を整理しておくと、例年10月第3日曜日に宅建士(宅地建物取引士)資格試験が実施され、6月初旬に日程の公告があるので、6月から10月中頃にかけて試験関連の検索需要が若干増加します。

さらに例年10月にはBtoC向けの大規模な不動産イベントも開催されるので、イベント関連キーワードでも急上昇傾向が見られます。

宅建士試験とイベント、両方の検索要素が9月から10月にかけて一気に開花するため、今秋もアクセス新記録の期待がかかります。

なお、Search Consoleでは16ヶ月(1年4ヶ月)以上前に遡れないため、Google Analyticsで自然検索(オーガニックサーチ)データのみを抜粋し、2年前、1年前、そして今年6月度のユニークユーザー数を比較しました。

A社:2年前の自然検索アクセスと比較すると6.6倍に成長

BtoB企業A社の自然検索アクセス増加率

細かい数値は公表できないので「倍率」のみをお伝えすると、2年前の6月トータルを1とすると、昨年6月は2.6、今年6月は6.6(昨年比では2.5倍)となりました。

SEO施策は続ければ続けるほど効果が増幅していく、ということがおわかりになると思います。

【1年7ヶ月で自然検索アクセス数が45倍に激増!】BtoC企業の不動産業B社の場合

2つ目の成功事例をご紹介します。B社は不動産業種のBtoC企業です。
2018年10月にリニューアルオープンと常時SSL化対応し、同時期にコンテンツマーケティングも開始しました。

こちらのサイトも先のA社と同様に、Search Consoleの自然検索計測データから見ていきましょう。

B社:この1年で自然検索アクセスが2.8倍に成長!

BtoC企業B社の自然検索クリック数の増加率

昨年と今年の7月第1水曜日の表示回数とページ到達数(クリック数)を単純比較したところ、表示回数は2.3倍、クリックは2.8倍に増加していました。

なお、今年3月から5月頭にかけて見られる停滞は、コロナの影響も多少あるものの、記事監修の専門家選びに難航し、1月〜5月のおよそ4ヶ月の間、コンテンツ更新が止まっていたことが主な要因として考えられます。

というのも今年4月に約40年ぶりとなる「令和2年の民法改正」があり、不動産とは直接関係がない多くの企業でも民法改正の解説記事をこぞって更新していました。
市場の活発な動きという「外的要因」と、更新が滞っていたという「内的要因」が重なって、B社サイトの民法周辺キーワードにおける順位が軒並み下がり、アクセスが低迷してしまったと考えられます。
なお、5月中頃には運用体制が復活したため、再び上昇傾向に戻りました。

もしもの話になってしまいますが、この4ヶ月の更新停止期間がなければ、今ごろはもっと飛躍していたかもしれません。
このように、競合が多いと外的要因による影響も大きくなるため、時流を意識したコンテンツを「適切なタイミングで」更新できる体制づくりが欠かない、ということがわかりました。

B社:1年7ヶ月で自然検索アクセス数が45倍に激増!

BtoC企業B社の自然検索アクセス数の増加率

続いてGoogle Analyticsで、この1年の自然検索アクセス推移と前年推移を比較します。

まず昨年6月と比べて今年6月のユニークユーザー数は約4倍を記録。
さらに遡ってコンテンツマーケティング開始の翌月2018年11月と今年6月の自然検索による月間アクセスユーザー数を比べると、なんと45倍もの増加率になることが判明しました。

リニューアルスタートの4ヶ月前からコンテンツを書きため、10月のオープン時に一気に21本の記事を更新したのですが、当社がわかりやすく手応えを感じたのは翌年(2019年)7月ごろのことです。
コンテンツの充実度やユーザーの満足度を高めるため、カテゴリ分けをしっかり見直し、コンテンツ内容もより専門性を追求して仕切り直したのが2019年5月。その2ヶ月後には、目に見えてアクセス数が急増し、滞在時間も数秒程度ですが増加しました。

前述のとおり、今年の頭に更新停止となったものの、5月には再開し、先月6月には過去最高となる自然検索経由のアクセス数を記録できました。

つまり「継続は力なり」だということが言えます。

戦略・戦術・実行・改善の各段階で実施するコンテンツマーケティングの内容とは?

不動産業種のBtoB企業A社、BtoC企業B社、ともに自然検索経由アクセス数を大幅に増すことに成功しました。

それでは、ここに至るまでに実施した具体的な内容を、戦略、戦術、実行、改善の各フェーズ(段階)に分けてご紹介していきます。

1.戦略フェーズ

クライアントヒアリング(競合、想定する顧客像、顧客接点・タッチポイント等)

この工程にコンテンツディレクターやライターが参加できるとベストですが、同席できない場合は、ヒアリング内容を持って社内関係者の打ち合わせを実施します。

戦略を立てる前に、営業(アカウントマネージャー)、コンテンツディレクター、ライター、その他の協力メンバー間の意思統一をしっかり図ることが重要です。

競合調査、ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ作成、KPI設定

ヒアリング内容をヒントに戦略を立てていきます。注意すべきポイントをいくつか上げましょう。

  • クライアントの想定した競合が必ずしもWeb上の競合と一致するとは限らない
  • クライアントの実際の顧客層と、今後獲得したい理想の顧客層が違うことは多い。ギャップを埋めるにはどのような策が望ましいかを考慮する
  • 顧客接点・タッチポイントの情報から、適しているコンテンツはWeb記事か、メルマガか、ホワイトペーパーか、動画か、あるいはLP広告なのか、を策定する
  • ゴールポイントは資料請求か、面談予約か、サービスへの登録か、などを策定する(ゴール到達後のフローが確立されているのかも合わせて確認)

さらに業界理解を深めるために、ヒアリングという一次情報だけではない客観的情報のインプット(調査・素材集め)も欠かせません。官公庁や公的機関が発表した資料を集め、専門的な書籍を購入or図書館で借りて読み込みます。だいたいこの過程あたりで、後述する「潜在需要」のヒントを得ることもあります。

不動産コンテンツの制作に当たって参考にした書籍・資料の紹介記事

住宅・建築・不動産系コンテンツマーケティングの参考資料・本・サイトを紹介します【2020年版】

2.戦術・作戦フェーズ

顕在需要キーワード調査、潜在需要キーワード調査、キーワード選定

一般的なSEO関連のツールで「顕在化した」需要キーワードの順位調査を実施します。

また先の資料や関連書籍の読み込みで得た知見をもとにしたり、さまざまなキーワードツールを使ったりして、潜在需要(検索ユーザー自身も気づいていない「隠れた要望」の素材となるインサイト)キーワードを模索し、調査します。

コンテンツ設計・タイトル決定・スケジュール管理

選定した顕在・潜在需要キーワードをもとに「コンテンツマップ」を作成し、仮もしくは本テーマ&タイトルを決定。同時に更新スケジュールも合わせて作成します。

テーマ選定が一通り済んだら、執筆依頼をするメンバーを考え(ライターアサイン)、発注の準備を整えます。

3.実行フェーズ

(当初は不動産素人しかいなかった)コンテンツ制作

実際の運用がいよいよ始まります。
今回取り上げた不動産業種のコンテンツですが、A社は不動産・宅建業者向けの専門的な内容で、B社は不動産にかかわる法律などの専門知識を要するヘビーなものが多く、どちらも一般ユーザー向けではありません。

さらに予算の都合から、不動産専業ライターへの外注とディレクションは難しいことが予想できました。ゆえに一部例外を除き、基本的には自社内のライターが専門知識を蓄積して運用することにしました。

不動産業種のコンテンツ受注が単発であれば、不動産専業のライターさんに発注にした方が無難ですが、当社ではすでに複数の実績があったので、自社内での記事制作が可能でした。

一番最初の不動産案件スタート時は、誰も不動産・宅建業には精通しておらず、この体制を確立するのには大変な労力がかかりました。でも今では「当社は不動産コンテンツが得意です!」と胸を張って言えます。

4.評価・改善フェーズ

分析、改善(データベースドライティング)そしてPDCAサイクルへ

運用開始後は記事の連載とともに、すでに公開されている記事のアクセスデータを分析していきます。
運用とともにたまっていくアクセスデータは、新しい記事企画の参考にすることもあれば、公開記事のブラッシュアップ(追記、再構成、分解などの「リライト」)のヒントにも使えます。

ユーザーの役に立つ企画を練り、よりよい記事となるようブラッシュアップを継続していると、検索キーワードの表示回数やクリック数は自然と向上していき、より高いSEO施策効果に結びついていきます。

当社では「Webサイトは“作ったら終わり”ではない」という考えのもと、データにもとづいたブラッシュアップを必ず実施しています。

Webサイトという「入れ物」の最適化もコンテンツマーケティングには必要不可欠

最初にお伝えしたように、コンテンツマーケティングの実施時には、単独ではなく内部SEOを意識した「サイト構築」もセットで考えることが必須です。

当スマートスタイル・コンプレックスは、Webサイトとコンテンツマーケティングの戦略設計、構築、運用、分析・改善までワンストップでご提供しています。
もちろんデザインのみ、コーディングのみ、記事執筆のみ、広告入稿のみ、といった分業の受託も可能です。
しかしSEO戦略で成果を出すためには、Web構築とコンテンツ設計の2つの足並みを揃えることが望まれます。どちらかが欠けていれば、最悪の場合成果が出ないということもあり得るからです。

「コンテンツマーケティング施策」と「内部SEO対策」の考え方や詳細内容については下記ページで解説していますので、ぜひご参照ください。

コンテンツマーケティング

内部SEO対策

不動産業界全体のIT化の遅れと「コンテンツマーケティング」の関係

(以下、2020年7月16日追記)

ご存知の方も多いかもしれませんが、不動産業界全体のIT化は他の業界と比べて大幅に遅れています。

少し古いデータの引用になりますが、2014年に総務省が発表した「ICTにおける経済成長加速に向けた課題と解決方法による調査研究報告書」(PDF)によれば、不動産業界のICT(情報通信技術)化は、農林水産業、運輸業、電力・ガス業界についでワースト4という結果でした(同報告書20〜24ページ)。

ちなみにITC化の進展度をスコア化したランキングでは、下記のような結果に。

  1. 情報通信業と製造業:9.5(同率1位)
  2. 金融・保険業:7.6
  3. 商業:7.5
  4. サービス業:7.0
  5. 建設業:6.7
  6. 不動産業:5.6
  7. 電力・ガス等:5.4
  8. 運輸業:4.8
  9. 農林水産業:3.0

近年、不動産業界の内外では、人材効率化を促進するHRテック、重説支援アプリ、間取り作成ツールといったBtoB向け不動産テックや、スマートロック物件、VR内見などのBtoC向け不動産テックなどの活用と、業務IT化の重要性が叫ばれています。

賃貸などのBtoC市場ではテック化はかなり進んでいるものの、もっとも資産を持っている世代への不動産テック浸透には、いまだに大きな課題があるようです。

Webのコンテンツマーケティングでも同様に、読み物コンテンツは若い年代には届きやすいものの、50代以上の閲覧シェアがなかなか上がらない、といった課題があります。
そこで当社はこの世代のギャップを埋めるべく、「読み物コンテンツの動画化」を試みることにしました。

動画コンテンツの成果報告は、追ってご報告をしたいと思います。

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住宅・建築・不動産系コンテンツマーケティングの参考資料・本・サイトを紹介します【2020年版】

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創業2011年から現在まで、およそ200社のWebサイト・コンテンツ制作・コンサルティングを手掛けてきたWeb専門代理店です。営業に関するお知らせやプレスリリースのほか、当社で蓄積したWebマーケティングに関する知的資産(ナレッジ)を公開します。執筆者はデザイン、開発、SEO、コンテンツマーケティング、営業など各部門の専門家です。