「絶妙な情景」? 文意を踏まえて校正・校閲した一例
2018.03.13
弊社SSCのコンテンツディレクターが携わった記事の中から、実際に校正・校閲をした文章を例にとり、どのような考察を経て文章が修正されたかを詳しくご紹介します。
今回修正したのは下記の一文です。
「古い建築物と桜が見事にあわさって絶妙な情景を楽しむことができます。」
この一文から問題点を見つけ、意味が通るように直していきます(※コンテンツホルダー企業との守秘義務契約に基づき、文言の一部を変更しています)。
問題点1「あわさって」について
「あわさって」は、「合わさって」と漢字にした方が良いと思います。
また、この文面では「って」より「った」とする方が適切です。
「合わさる」は一応標準語ですが、方言だと感じる人も多いので、使用は避けた方が良いかもしれません。
問題点2「絶妙な情景」?
強烈な違和感をおぼえたので、「絶妙」と「情景」に分解して、それぞれの単語の意味を調べました。
【絶妙】[名・形動]この上なく巧みですぐれていること。また、そのさま。「絶妙な(の)演技」「絶妙な(の)タイミング」
【情景】心にある感じを起こさせる光景や場面。「幼いころの―を思い浮かべる」出典:デジタル大辞泉
以上のような意味になるので、「絶妙な」と「情景」を合わせて用いると不自然に思えます。
文意をくみ取って修正すると…
上にあげた問題点だけでなく、
- 歴史あるものと、新しい生命(桜)とが共存する景色は尊く、とても素晴らしい
- 双方が持つ色のコントラストが美しい
という文意も踏まえて、下記のように書き直しました。
「重厚な歴史を感じさせる建築物と色鮮やかな桜が織りなすコントラストは大変美しく、一見の価値があります。この季節ならではの絶景を堪能できるので、ぜひ一度足を運んでみてください。」
しかし、やや冗長なので、もう少しシンプルにします。
「歴史的な建築物と色鮮やかな桜とのコントラストは大変美しく、この季節ならではの絶景を堪能できます。」
いかがでしょう。意味が通る内容になったでしょうか?
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立見
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