Google・YahooのSERPs構成とそれぞれの検索順位を上げるSEO対応リスト・2020年9月版
GoogleやYahooの検索結果画面(以降「SERPs」と言います)は日々進化しています。
検索するキーワードによっては、動画や地図情報などが一番最初に優先表示されたり、交通アクセスやお天気などの情報が表示されたり、場合によってはSERPs画面だけで疑問が解決することも増えました。
今回は2020年9月現在のSERPs画面を構成する各項目の解説と、今後の変更の予測、そしてそれに伴って情報提供側にはどういったSEO(検索エンジン最適化)の技術が求められていくかを解説していきます。
「ラーメン」と検索しただけで近所のおいしいラーメン屋さん情報を案内
ランチの時間にラーメンが無性に食べたくなり、行きつけのお店が休業日だったとき、皆さんはスマホで「ラーメン」と検索をするでしょう。
以前だったらブラウザを立ち上げて「地図」のメニュー(タブ)を選んでから「ラーメン」と入力するか、GoogleMapで検索して近所のラーメン屋さんを探したかもしれません。
しかし最近ではGoogleで検索をすれば(SiriやOK Googleと音声検索をすれば)、近所の地図情報からラーメン店情報(徒歩○分、営業時間、評価、口コミ等)をピックアップして表示してくれるようになりました。
このようにユーザーの要望を読み取って最も適した回答を示す「SERPs(サープス)の変更」がここ最近顕著に見られます。
SERPsとは、Search Engine Result Pages(サーチ エンジン リザルト ペイジズ)の略で「検索結果画面」のことを指します。
SERPs(検索結果)画面の主な構成要素
SERPsに表示されている項目の構成をざっと説明しますと、
- 以前から表示されている検索連動型(リスティング)広告とWebサイトのリンク
- 地図と3つの地域情報を掲載した「ローカルパック」(Google検索に限る)
- 強調スニペット、ライブリザルト、ナレッジカードなどの「アンサーボックス」
- PC画面だと右カラムに表示される「ナレッジパネル」(Wikipediaが多い)
- 動画
- 画像
- 求人情報(求人系キーワードに限る)
- 関連商品が掲載される「ショッピング」(Yahoo検索の場合はYahoo!ショッピングやPayPayフリマ)
- Googleブックス(Googleでの書籍名検索に限る)
- 関連キーワード
- Yahoo!知恵袋(Yahoo検索に限る)
といったものが並びます。それでは各項目と、それぞれの検索順位の上位表示に対応する技術について説明していきます。
1.従来からある「検索連動型広告」と「Webサイト」の上位表示施策は「SEM」
従来の「検索連動型広告」(リスティング広告)を調整し、検索結果の上位表示を目指すSEO技術は「SEM」(Search Engine Marketing)などと総称します。
SEMでは検索エンジン最適化とともにリスティング広告の効率も重視して実施します。
2.地図や営業情報が出る「ローカルパック」はローカルSEO・MEOで対応
Google検索で「神戸 工務店 おすすめ」と検索したときの検索順位画面です。
神戸市の地図と工務店情報3店舗分が最上部に表示されています。この3つを「ローカルパック3(スリー)」などと呼びます。
住所、電話番号、営業日時、評判(★やユーザー口コミ)などが把握でき、工務店公式のWebサイトへ飛んだり、道順や行き方を調べたり、といったことができます。またスマホ検索であればこの画面から電話もかけられます。
このローカルパックや「その他のビジネス」の上位にランクインするための技術は「ローカルSEO」や「MEO」などと言います。
ちなみにYahoo検索の場合はブラウザで「地図」のタブを選ばないとローカル情報は出ず、キーワードによってはヒット情報が存在しないこともあります。
ゆえに「MEO対策」と言った場合、Yahoo検索の地域順位を上げる施策や技術は含まれないことが多いようです(2020年9月現在)。
3.強調スニペット、ライブリザルト、ナレッジカードなどの「アンサーボックス」
ちょっと紛らわしい画面で恐縮ですが、これは「強調スニペット」というキーワードで検索して出てきた画面のキャプチャです。
これまでの検索エンジンでは、外部サイトへのリンクをたどって一旦検索エンジンから離れる必要がありましたが、「強調スニペット」の登場によって、検索ユーザーはWebサイトにわざわざ移動する必要がなくなりました。
強調スニペットはGoogle、Yahoo、いずれの検索エンジンも採用しています。
格安スマホのユーザーからすれば「貴重なギガが減らない」ので大変ありがたい仕様と言えます。その一方で「強調スニペット」に表示されてしまうとユーザーがWebサイトに来てくれないので、情報提供側は歯がゆく思うかもしれません。
とはいえ強調スニペットの情報で事足りるユーザーはたとえサイトを訪れたとしても、滞在時間も短く直帰率も高くコンバージョン率も低い「極めてモチベーションの低いユーザー」の可能性が高いので、「サーバー負荷の軽減」と「コンバージョン率が上げられる」というメリットがあります。
ほかにも強調スニペットと似た、リンクが掲載されない「ナレッジカード」や「ライブリザルト」といったものもあります。これらをまとめて「アンサーボックス」と総称します。
簡単な質問にはGoogle・Yahooが即答してくれる「ナレッジカード」
「今日は何曜日」に即答してくれるのがGoogle検索。
そして残念ながらYahoo検索では何曜日かは表示されませんでしたが、「猫の寿命」で検索したときのナレッジカード(「ネコの寿命」の部分)はこんなふうに表示されました。
たった今の情報がわかる「ライブリザルト」(当社所在地の浦和で検索)
PCでGoogle検索したときの「天気」のライブリザルトはこんな感じです。
一方Yahooモバイル版では、
ブラウザで文字入力をしている途中にこのような画面が出てくるので、タップして検索する必要がありません。
ちなみにPC版のYahoo検索だと、
Googleと同様に現地の天気情報が表示されます。
浦和で検索したにもかかわらず茨城県水戸市のお天気情報が出てしまいますが、筆者がPCブラウザでYahooにログインしていないのでローカライズがうまくいっていないせいだと思われます。
4.ナレッジパネル・ナレッジグラフの一部は「Googleマイビジネス」で対応可能
ナレッジパネルはGoogleの説明によると「検索された人物、場所、モノに関する主な事実を表示することでそれについてすばやく理解し、トピックに関する情報を簡単に調べられるように設計されています」とのこと(Google 検索のナレッジグラフとナレッジパネルとは)。上記のような大企業を検索した場合は、Wikipediaの情報が高確率で引用されます。
Wikipediaに載っていない当社のような規模感の企業名を検索した場合は「Googleマイビジネス」に掲載している情報がそのまま載ることもあります。ナレッジパネルの管理においてGoogleマイビジネスの存在は欠かせません。
5.動画が上位に表示されるものは「動画SEO対策」が有効
これは「二重窓 DIY」で検索したときの結果です。
当社が今月配信したメルマガでもこの事例をお伝えしたのですが、DIY系キーワードの検索結果画面では読み物やレポートなどのテキスト記事よりも、実際の作り方を伝える動画を上位に表示していることがほとんどでした。
データ容量が制限される格安スマホだと動画は気軽に見れないかもしれませんが、Wi-Fi環境か大容量契約をしているスマホユーザーであれば、こういった情報は動画で見たほうが便利に感じるはずです。
昨今では読み物コンテンツを動画化して、より多くのユーザーに情報とともに躍動感や臨場感を伝えるメディアが増えました。レシピコンテンツなどがその顕著な例です。
動画プロモーションや動画コンテンツの可能性と需要、動画SEOのポイントについては、下記のページで詳しく解説しています。
6.画像の検索対策のカギは「代替テキスト」
またまた「二重窓 DIY」の検索結果から。素材などの質感を画像で確認したい人の需要にもGoogleは答えています。
Googleでは、画像と前後の文脈の関連性や、画像ファイル名、画質、ブラウザ対応しているファイル形式か、モバイルフレンドリーか、といった要素のほかに、imgタグ内のalt(代替テキスト)を重視して画像検索の順位を決定しています。
画像のaltには、より詳細にその画像を表す情報を文字で入力することが重要なのです。
たとえば「二重窓 DIY ポリカ(ポリカーボネート)」というキーワードで上位表示を目指す場合は、掲載画像のalt内に「ポリカーボネートでDIYした二重窓」と入れたり、さらに「ホームセンターで購入したポリカーボネートをDIYで二重窓に加工」とその他の関連キーワードを追加したり、といった工夫ができます。
ただしキーワードを詰め込みすぎると検索エンジンはスパム判定を下すので、あくまで自然な形で盛り込みます。
7.求人情報(求人系キーワードに限る)
浦和で「広報 中途」と検索した場合のSERPs画面です。このようにGoogleではさまざまな求人サイトからインデックスしたデータを検索画面に表示します。
どの求人媒体に掲載すれば「広報 中途」で上位表示をされるのかは、さらなる調査が必要です。
8.関連商品が掲載される「ショッピング」(Yahoo検索の場合はYahoo!ショッピングやPayPayフリマ)
「二重窓 DIY」の検索結果に登場したショッピングの広告枠です。Yahoo検索の場合だとYahooショッピングやPayPayフリマなどが比較的上の位置に掲載されることもあります。
このキーワードの場合、DIYキットではなく、シェードや窓用防音ボード、さらに右横には断熱フィルムなどが表示されていました。この商品群に目移りして二重窓のDIYを断念してしまう人もいるかもしれませんね。
9.Googleブックス(書籍名検索に限る)
「いちばんやさしいコンテンツ」という“うろ覚え”なキーワードで出てきた画面です。ECサイトの商品広告やアマゾンリンクの下に「Googleブックス」の画面が表示されています。
プレビューボタンをタップすると『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本:人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り』の全267ページ中、冒頭14ページ目まで(表紙や目次、Lesson03ネットマーケティングの転換期1ページ目まで)プレビューできました。
ページを限定して公開したり、著作権が切れている古典などは全文公開したり、プレビューの範囲は書籍や出版社によってさまざまです。
10.関連キーワード・サジェストキーワード
左がGoogleの関連キーワード表示、右がYahooの関連キーワード表示です。防音、夏、キット、賃貸など共通しているキーワードもありますが、若干の違いが見てとれます。
GoogleやYahooは検索ユーザーの住んでいる地域や過去の閲覧記録などを加味して検索結果を「パーソナライズド」しているのですが、各エンジンを使って過去に見たページが違うので、このように少し異なる関連キーワード結果を示している可能性があります。
11.Yahoo!知恵袋(Yahoo検索に限る)
最後に紹介するのはYahoo検索限定で表示される「Yahoo!知恵袋」のQ&A画面です。
Yahoo!知恵袋の回答者にはその道のプロがたくさんいて、専門性と満足度の高い回答を得られることもあります。一方で「そんなこと自分で検索して調べてください!」といった全然役に立たない回答もあるので、知恵袋は玉石混交の世界です。
知恵袋の上位表示はYahoo独自のアルゴリズムを採用していると思われるので謎が多い部分です。
Yahooは今年の6月からYahooニュースに対するネガティブなコメントをAIで選別している(ヤフーがコメントの誹謗中傷対策を強化、深層学習によるAI削除を他社サイトに提供へ)と発表しているので、知恵袋の内容もAIで何らかの判断をしているかもしれません。
次回のブログでは今回のSERPsの内容を受け、動画マーケティングの需要について、また動画SEOの仕組みについて詳しくお伝えしたいと思います。
Smart Style Complex Inc.
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