【WEBライターを目指す人へ】文章を書く上で気をつける21のポイント
2018.01.19
今日も心を鬼にして、ライター諸氏の書いた文章を読みながら鬼校正&激戻し。弊社SSCコンテンツディレクター&編集の立見です。
今回は、まだWEBライターとして修練の余地がありすぎる自身のことは一旦棚に上げ、「文章を書く上で気をつける21のポイント」と題し、読みやすい文章を書くためのTIPSをお届けします。WEBライターを目指す方や、ブロガー、アフィリエイター、論文執筆中の学生さんなどにも参考にしていただけると幸いです。
1.文体は統一する
敬体「です、ます」調と、常体「だ、である」調の文体は、一記事中で統一しましょう。ですますの文中に「だが」などは使えません。ただし、引用や伝聞、インタビュー内での口調などは変更せずにそのままで問題ありません。
例文
×秋は長く厳しい冬が訪れる前に、一瞬だけ通りすぎる貴重なひととき。ニューヨーカーにとっては癒しの季節だ。ロマンチックで独特の趣がある「秋のニューヨーク」をたっぷり堪能できるのも、この映画が持つ魅力の一つといえるでしょう。
↓
○秋は長く厳しい冬が訪れる前に、一瞬だけ通りすぎる貴重なひととき。ニューヨーカーにとっては癒しの季節です。ロマンチックで独特の趣がある「秋のニューヨーク」をたっぷり堪能できるのも、この映画が持つ魅力の一つといえるでしょう。
(ですます調に統一)
○秋は長く厳しい冬が訪れる前に、一瞬だけ通りすぎる貴重なひととき。ニューヨーカーにとっては癒しの季節だ。ロマンチックで独特の趣がある「秋のニューヨーク」をたっぷり堪能できるのも、この映画が持つ魅力の一つといえるだろう。
(だである調に統一)
2.文章が長すぎると“ねじれ”やすくなる
一文が長いと主語と述語のねじれが生じやすくなるので、適度に切りましょう。
ねじれ文とは主語と述語の関係が意味的におかしいもので、文法的な誤りの一種です。多くの場合は長い重文や複文で生じますが、単文でも見られます。たとえば、
私の日課は、朝6時頃から小一時間ほど、近くの公園を散歩しています。
というような文です。「日課は」という主語に対して「散歩しています」が述語になっているおかしさに気がつくのは、そう難しいことではありません。正しい文章に直してみましょう。
私の日課は、朝6時頃から小一時間ほど、近くの公園を散歩することです。
3.接続詞で無理につなげようとしない
先ほどのように長い文章を適切な長さに切ったあと、文章を続けようとして不適切な接続詞でつなげると、リズムが悪くなり、無理やりつなげた感が否めなくなります。構成を再考して自然な流れの文章にしましょう。
4.不要な接続詞は省く
省いても意味が通じる接続詞(「ゆえに」「つまり」「したがって」など)は徹底的に省きましょう。
「しかし」「ところが」などの逆接続詞は、省くと意味がつながらなくなるので例外とします。
<例文1>
彼はとても飽きっぽい性格だ。したがって、何をやっても長く続かない。しかし、毎朝の散歩だけは欠かしたことがない。使用した接続詞は「したがって」と「しかし」です。意味は通じますが、テンポが悪く、もたついた印象を受けます。
<例文1の修正>
彼はとても飽きっぽい性格だ。何をやっても長く続かない。しかし、毎朝の散歩だけは欠かしたことがない。「したがって」を削ることによって、先ほどよりもリズムよく読めるようになりました。ちなみに、「しかし」を削ると、意味不明な文章になってしまいますので、こちらは残しておきます。
5.同じ語尾を連続させない
「〜です。〜です。」「〜でした。〜でした。」「〜ました。〜ました。」などと同じ語尾を連続使用すると、ぶつ切れで読みづらくなるので、なるべく避けましょう。
例文
×リブを演じるケイト・ハドソンが着用するウエディングドレスは、有名ブランドの“バレリーナ”と呼ばれるものです。デコルテがより美しく見えるキュッとしたビスチェのデザインに、下はふわっとしたボリューム感のあるチュールが特徴です。
対してエマを演じるアン・ハサウェイが着用したのは、彼女の母親がかつて着たクラシカルな雰囲気が漂うオフショルダーのマーメイドラインドレスです。ベールのボリューム感も控えめで、花嫁の清楚な美しさを引き立てるものです。
↓
○リブを演じるケイト・ハドソンが着用するウエディングドレスは、有名ブランドの“バレリーナ”と呼ばれるもの。デコルテがより美しく見えるキュッとしたビスチェのデザインに、下はふわっとしたボリューム感のあるチュールが特徴です。
対してエマを演じるアン・ハサウェイが着用したのは、彼女の母親がかつて着たクラシカルな雰囲気が漂うオフショルダーのマーメイドラインドレス。ベールのボリューム感も控えめで、花嫁の清楚な美しさを引き立てています。
6.「体言止め」はほどほどに
「なかなか現れない新婦を、不安な表情で待つ新郎」「普遍的な異文化間の問題をユーモラスに、ときにブラックに描いたこの作品」といったように、名詞で終わる文章を「体言止め」といいます。
体言止めは適度に使うとリズム・テンポがよくなりますが、乱用すると言葉足らずで雑な感じになるので、バランスを見てほどほどに使用しましょう。
7.同じ単語を乱用しない
極端な例ですが、
・印象的な○○が××で、とっても印象的です
・○○にご注目!そして注目したいのは〜
などのように同じ単語をしつこく使うと陳腐な文章になります。言い換え表現に煮詰まったら、類語辞典・シソーラスなどを利用しましょう。
8.重複表現をしない
同じ意味の言葉を複数回繰り返すことを重複表現といいます。
例文
×違和感を感じる→○違和感をおぼえる、違和感がある、違和を感じる
×被害を被る→○被害に遭う、害を被る
×〜できることも可能→○〜することも可能、〜できる
9.助詞「の」や「が」を連続使用しない
「〜の〜の〜の」「〜が〜が」と連続で使うとかっこ悪くなります。省略や言い換えなどを考えましょう。
例文
×アラフォーの男性のイラストの作成をお願いします
↓
○アラフォー男性のイラスト作成をお願いします
10.頭を良く見せたい、背伸びした文章は×
難解な表現や、理屈っぽい接頭・接尾・接続詞を乱用すると陳腐な文章になり、印象もよくありません。平易な表現を心がけましょう。
11.伝聞調の連続に注意
伝聞の表現を連続(「〜だそう。〜だとか。」など)させると内容が乏しいように感じます。公然の事実ならば伝聞調ではなく言い切りに変え、事実やコメントなど挟むとバランスが取れるでしょう。
12.言い切る場合、言い切らない場合
「〜だと思います。」などの煮え切らない表現は、文章の信憑性を下げてしまうので、なるべく控えましょう。しかし断定できない事実は言い切ってはいけません。なぜなら嘘を書いてはいけないからです。
13.意味不明な文章は×
言葉足らず、説明不足、主語述語が不明瞭、根拠不明、個人の感想、独断、などによる意味不明な文章にならないよう気をつけましょう。
例文
×コーヒーの香りは元気になります。
↓
○コーヒーの香りをかぐと眠気が覚めて頭も冴えやすくなり、元気が出ると感じる人も多いでしょう。
14.「個人の意見」について
個人的な意見を書く場合、発表の場やタイミングなどが適切かどうか、書く前に熟慮しましょう。私たちが手がける広告コンテンツでは「個人の感想です」といった但し書きが有効な場合もありますが、そうでないことの方が圧倒的に多いものです。
15.「てにをは」に注意
助詞の「てにをは」を間違うと、正しいニュアンスが伝わらなくなるので注意しましょう。
- 雰囲気「が」いい喫茶店(ノーマル)
- 雰囲気「の」いい喫茶店(「が」の言い換え)
- 雰囲気「は」いい喫茶店(雰囲気以外の欠点がありそうな表現)
- 雰囲気「も」いい喫茶店(雰囲気以外にも良い点がありそうな表現)
16.「」『』()“” などの括弧群の取り扱い
「」『』()“” などの括弧群にはそれぞれの使い道があります。以下は記者ハンドブックなどに準拠した例です。
- 「」…会話文、引用、語句の強調など(「」が続く記載の場合、間に「、」は入れない場合が多い)
- 『』…映画や書籍などの作品名、「」内でさらに括弧を使う場合に使用
- ()…補足事項など
- “”…引用、語句の強調(「」より使用頻度は低い)
「」は会話文だけでなく、強調の意味でもよく使う括弧です。HTMLではstrongやem、bなどのタグが強調の機能を持ちますが、デザイン上で思い通りのスタイル(カスケードスタイルシート)になっていないことも多いので、強調したい単語や文字列を「」でくくることが多発します。
『』は作品名などを表記するときに使うのがスタンダードで、使用頻度はあまり高くありません。稀に「」内でさらに「」を使いたいときに使用しますが、この場合の出番も少ないでしょう。
補足説明でよく使う()ですが、()内が長いと、どこからどこまでが補足テキストなのかわかりづらくなり、読者は混乱します。多用している文章はあまりスマートではないので、必要最小限にとどめたいものです。
“”はブラウザによっては非常に見づらい表記なので、WEB媒体ではとくに避けられる傾向があります。
また使用するときは「””」とせず「“”」と左右対で使います。ただしブラウザによって違いが大変わかりづらいので、やはり使用しない方が無難です。
17.難しい漢字はひらがなで
【読みやすい文章を書く方法STEP1】こんな漢字はひらがなで書こう!をご参照ください。
18.丁寧すぎる表現は考えもの
丁寧すぎたり、へりくだりすぎたりする「慇懃無礼」な表現には気をつけましょう。
慇懃無礼とは
言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼であるさま。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなるさま。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げているさま。
丁寧すぎるとかえって誠意が感じられない、といったことは往々にしてありますが、文章においても同様です。また、間違った敬語・謙譲語・丁寧語の使用もかっこ悪いので気をつけましょう。
19.ポリティカル・コレクトネスを意識する
ポリティカル・コレクトネスとは、最近よく耳にする用語で、「ポリコレ」などとも略されます。
ポリティカル・コレクトネスとは
人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること。
ポリティカルコレクトネスとは – コトバンク
どういった表現が正しいとされるのか、基準は時代によって変わっていくものです。時代の空気感を読み、時代感覚などを取り込んで、現代のポリティカル・コレクトネスを身につけていくのもライターや編集者の役割です。
20.文章構成について
・リード文
記事の書きはじめには、ご挨拶、様子伺い、問題提起、つかみなどのリード文をつけてから本題に入りましょう。場合によっては自己紹介などもおこなうと親切です。
本文と関係ない無駄話、長い話は避け、簡潔に書きましょう。
・流れ
話の流れは自然に、唐突にならないよう気をつけましょう。唐突に始まる箇所が見つかった場合は、説明を足すか文章の前後を適宜入れ替え、流れを正します。
・改行位置
句点(。)ごとに改行を入れると、ブラウザによっては見づらくなるため、2〜3文くらいのまとまりごとに「pタグ」で区切ると読みやすくなります。
・締めの文
最後の締めに「いかがでしたか?」と書かれた文章は、一時ネットで嫌われる傾向にありました。紋切的で陳腐に感じやすい(個人的な意見です)ので注意してください。
・列挙する順番を守る
並列して説明をする場合は、順番を必ず守りましょう。ごちゃごちゃだと理解しづらくなるのでご注意を。
例文
×姉は慎重な性格、妹は大胆な性格。妹は英語が堪能、姉は暗算が得意。(姉→妹→妹→姉、となっている)
×姉は慎重な性格、妹は英語が堪能。姉は暗算が得意、妹は大胆な性格。(性格→特徴→特徴→性格、となっている)
↓
○姉は慎重な性格、妹は大胆な性格。姉は暗算が得意、妹は英語が堪能。
(姉→妹→姉→妹、性格→性格→特徴→特徴、となっている)
もしくは、
◎姉は慎重な性格で暗算が得意、妹は大胆な性格で英語が堪能。
(姉の性格と特徴→妹の性格と特徴、となっている)
とした方がより簡潔です。
21.引用の作法
引用とは、サイトや文献など、他者が所有するコンテンツの著作権を侵害せずに参考文献として利用することを指します。
(WEBコンテンツの場合)aタグを使ったリンクをせず、引用元を示さずに利用するのは「盗用」で、著作権法を犯したことになります。場合によってはコンテンツ所有者に著作権侵害で訴えられ、高額の損害賠償請求をされる可能性も出てくるわけです。
文献をコピー・アンド・ペースト(コピペ)して「他サイトを参考にしました」として引用元を示さない例や、「ネットから拝借しました」として画像を無断転載する例などをよく見かけますが、訴えられる恐れがあることを知らない人がいまだに多いようです。
「引用と盗用の違い」について説明すると非常に長くなるので、改めて別記事で紹介したいと思います。
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まとめ
ここまで読んでくださった方へ。お疲れ様でした。皆様の文章がより読みやすくなり、悪文から卒業できることを期待しています。
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立見
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