購入・予約・問合せ等のコンバージョン率(CVR)を改善するチェックリスト
WEBサイトにおけるコンバージョンとは、サイトを訪れたユーザーが商品やサービスに対して、購入・成約・問い合わせ等のアクションを起こすことです。
- ECサイトの場合:
商品購入後の「ご購入ありがとうございました」ページを表示したらコンバージョン - 医院・サロン等の場合:
予約・申し込み後の「ご予約を受け付けました」ページを表示したらコンバージョン - サービス案内サイトの場合:
問い合わせフォーム送信後の「お問い合わせを受け付けました」ページを表示したらコンバージョン
上記のような「サンクスページ」と呼ばれるページをゴールに設定し、サイトのアクセス数に対して何人がゴールのページを表示させたかをコンバージョン率として計測するのが一般的です。
サイトのコンバージョン率を改善するには、ひと筋縄ではいきません。HTML最適化やデザイン上の工夫、コンテンツの充実など、さまざまな方面からのアプローチが必要とされます。
今回はそれらのチェックリストをご紹介します。
サイトのコンバージョン率はCVRという指標で見る
コンバージョン率はCVR(コンバージョンレート)という数値で表します。WEBサイトを訪れた人数と、ゴールページ表示回数から、下記のようにパーセンテージを算出します。
ゴールページの表示回数(コンバージョン数) ÷ 訪問数(セッション数)=CVR(コンバージョン率)
競合エステサロンAとBのセッション数とコンバージョン率を比較してみる
たとえば同じ地域内の競合として、Aというエステサロンと、Bというエステサロンがあり、それぞれがWEB予約サイトを持っていたとします。
エステAサイトのセッション数を、仮に1日100件だとして、エステの施術予約(申し込み)数がサイト経由で1日5件あれば、エステAサイトのCVRは5%であると言えます。
一方で、エステサロンBのサイトは、セッション数1000件、予約数10件、CVRは1%だったとしましょう。
セッション数という指標だけで見ると、エステBの方がエステAの10倍もの規模なので、強大なサイトのように思えますが、CVRに目を移すと、エステAの方がエステBの5倍もあります。
また、予約件数を見ると、エステAは5件でエステBは2倍の10件なので、エステAと比較するとエステBの効率の悪さが目につくでしょう。
エステAがWEB集客の技術を身につけたり、広告を投入したりしてセッション数を倍の200にすれば、エステBの予約数にあっさり追いついてしまいます。
さらにエステBと同じセッション数1000になれば、50件もの予約数にのぼります。エステBはエステAの後塵を拝し、運が悪ければエステBは倒産してしまうかもしれません。
このようにCVRはそのサイトの明暗を分ける指標だと言えます。
問い合わせが成約につながらないのはWEBサイトのコンバージョンとは関係ない
この記事の本題からは逸れてしまいますが、コンバージョンについてよく誤解されることがあるので、そのポイントを解説しておきます。
まず、WEBサイト上のコンバージョンを「問い合わせ件数」とした場合、問い合わせをしてきたユーザーに対して働きかけ、実際の成約につなげるのは、WEBサイトを運営する企業やお店などの受付や営業担当者です。
「問い合わせ件数は増えたけれど、購入(成約や来店)にぜんぜん結びつかない。ゆえにこのサイトのコンバージョン率は低い」といった認識をする人がたまにいますが、残念ながら成約率が悪いのは営業実務の問題であり、WEBサイトの問題とは異なります。
WEBサイトと関係があるとしたら、サイト上で説いているサービス内容を受付・営業担当者がしっかり理解していないか、あるはサイト上で案内しているサービス内容と実状にギャップがありすぎる、などの可能性があります。
問い合わせ件数に対して成約率が悪い場合は、問い合わせ後のフローを見直すべきです。また、写真や案内文と実状との間にギャップがある場合は、サイト制作者などとしっかり打ち合わせて、実状に沿った内容にあらためるべきでしょう。
アクセス数が多くてもコンバージョン率が悪ければ意味がない
先ほどのエステサロンAとエステサロンBの例に戻りますが、エステBのサイトでは1000ものセッションを集めているのに予約数は10件で、ライバルサイトのエステAは半分とはいえ5件もの予約があります。セッション数ではエステBが圧倒しているものの、いずれ抜かれるのは時間の問題でしょう。
Bがすみやかにやるべきことは、新しい広告を打つことでも、SNSを必死に更新することでも(そして残念ながらSEOやユーザビリティを意識した記事更新でも)なく、「CVRの見直し」です。
広告費を注ぎ込んでセッション数を倍にすれば、予約件数も倍の20件になりますが、サイトの見直しとチューニングをしてCVRを1%から2%にすれば、これも予約件数が倍になります。
たとえば広告掲載開始のタイミングをサイトのチューニング後にすれば、当初の4倍となる40件もの予約が見込めることになります。
つまり、ライバルサイトよりもセッション数が多いからといって、あぐらをかいているのは間違いなのです。
初期のサイト設計とデザインをしっかりやることが肝心
今まで述べてきたように、記事やSNSの更新、広告出稿でどんなにがんばっても、サイトの設計やデザインが悪かったら、焼け石に水になりかねません。初期設計で失敗しても、PDCA(計画→実行→評価→改善)を実行していけば巻き返せることもあります。
ただし、サイトを見直してリニューアルをするより、新規に設計して新サイトをオープンした方が楽な場合もあります。
コンバージョンUPのためのチェックリスト
それではコンバージョンを上げるためのチェックリストをご紹介します。
まずは、デザイン面のチェックポイントから。
デザイン・設計面のチェックリスト7つ
- WEB上に予約や問い合わせフォーム等を設置しているか(電話だけだとアクションをとる心理的負担が大きい)
- ゴールページの設定やコンバージョンの計測は正確にできているか
- コンバージョン時のページ遷移は適切か(適切なフォームが表示されているか・ちゃんとメールは飛んでいるか・サンクスページは表示されるか・無駄な遷移はないか・メールチェックは頻繁にされているか)
- 予約・問い合わせ・申込み・購入ボタンやリンクテキストは視認性(目につきやすい・見やすい・わかりやすい)が高いか、クリックしたくなるような魅力的なものになっているか
- ボタンやリンクがわかりづらい場所にないか・遠い場所にないか・ボタンより目立つものは存在しないか
- 解析ツールの設定は適切か(分析のため、ユーザー属性などを見られるようにした方がいい)
- PC・スマホ・タブレットなど、すべてのデバイスに対応したレスポンシブデザインを実施しているか(デバイス、ブラウザ、OSごとに取り逃がしが発生していないか)
デザイン・設計の関連リンク
ついでに、WEBサイト・広告制作専業の当社の管轄外ですが、営業面のチェックポイントについてもさらっと触れます。
営業面のチェックリスト6つ
- 予約・申し込み・問い合わせ対応の担当者が自社サービスをしっかり理解しているか
- コンバージョンが「電話問い合わせ」だった場合、対応窓口の体制は整っているか
- 対応・商品提供のスピードは遅くないか
- 問い合わせ顧客の本来の要望・問題点を担当者がしっかりくみ取れているか、適切な提案が適切なタイミングでできているか
- 成約までの過程で顧客のテンションが落ちる要因を担当者が与えていないか
- サイト上の案内と実際のサービス内容にギャップはないか・イメージが良すぎないか・営業努力でギャップは埋まるのか(埋まらないならサイトの方をあらためる)
コンテンツ面のチェックリスト6つ
ブログ記事やオリジナル動画などのコンテンツのチェックリストは以下の6つです。
- 売り物であるサービスや商品と、コンテンツの内容がかけ離れていないか
- 予約・成約・購入のテンションを落とすようなネガティブな内容になっていないか
- 本文中の適切な箇所でゴールへのボタンやテキストリンクが貼れているか、またはリンクが多すぎないか、誤クリックさせる構成・レイアウトになっていないか
- テキストリンクの場合、キャッチーなものになっているか
- コンテンツで提起した問題や願望の解決策として自社のサービス・商品を提示できているか
- ゴールページのリンクミスなど、ケアレスミスはないか
それでは詳しく見ていきましょう。
1.売り物であるサービスや商品と、コンテンツの内容がかけ離れていないか、無駄アクセスを生んでいないか
セッション数のわりにPV(ページビュー)が増えない、離脱率が高い、滞在時間が短い、コンバージョン率が悪い、などの症状が見られると「無駄アクセス」と言えます。
たとえば和菓子の通販サイト内で、オウンドメディアを展開しているとします。
和菓子の情報サイトにゴシップネタを投入してアクセス爆発!しかし…
和菓子の種類や、素材について、それぞれの賞味期限目安、冷やすとさらに美味しくなる和菓子の種類、和菓子作成で使う道具のうんちく、家でもかんたんに作れる和菓子のレシピ集…といったお役立ち情報の中に、ある日突然「有名芸能人Kさんの結婚歴まとめ!嫁で妻で奥さんのAさんとの馴れ初め・画像や噂は?岡山って?」という記事を入れたとしましょう。
検索キーワード「有名芸能人K」関連のキーワードを散りばめた、内容にとぼしい(売り物である「和菓子」にもまったく関係のない)ページにもかかわらず、意外にも1日1000セッションという数字を叩き出したとしましょう。
しかし、キーワード(有名芸能人K+関連ワード)を経由した和菓子の購入数は0件、購入金額も0円。サイト全体のCVRも無駄アクセスのせいで下がってしまいました。
しかもSNSで「和菓子のサイトなのにSEOスパムをやっている」と指摘され、さらに拡散されて炎上してしまいました…。
これでは意味がないのです。
売り物やサービス内容に即した内容や、親和性の高いジャンルなど、よりコンバージョンしやすいコンテンツを再考し、方向性を正す必要があります。
万能ではありませんが、Google Analyticsの
オーディエンス→インタレスト→購買意欲の強いセグメント
の項目(英語表記です)を見て、自社のサービス内容と、示されたセグメントに大幅なズレがないか、一度確かめてみましょう。
2.成約・購入のテンションを落とすようなネガティブな内容になっていないか
ユーザーの役に立つマイナスな情報は載っていてもかまいませんが、ユーザーが欲していないマイナス情報をわざわざ書く必要はありません。
とある旅行サイトで「A湾」の紹介文を書く場合
○ A湾の眺めは最高ですが、荒天時は高潮の危険が高まるので、事前に天気予報を必ずチェックしましょう
× A湾の奥には暗〜い祠があり、霊が出やすいのだとか…
上記のダメな方の文例ですが、さらに問題なのが「霊が出やすい」という科学的根拠に乏しい情報と、関係者が不快になりかねない内容です。こういった曖昧かつ失礼な文面は、サイト全体への信頼感に悪影響を及ぼします。
さらに文中にテンションが落ちるような文言が踊っていないか(ポジティブに言い換えられないか)、読んでいる途中でテンションが落ちて離脱したくなるような構成になっていないか、もチェックしましょう。
3.適切な箇所にゴールへのボタンやテキストリンクが貼れているか、多すぎないか、誤クリックを生む構造ではないか
ゴールページへのリンクが記事本文の一番下にしかない場合、長い記事だと残念ながら途中離脱するユーザーも多いので、コンバージョン率は下がります。
ゴールページへのリンクをヘッダーやフッターに常時表示する(デザイン上の)方法もありますが、キラーワードなどの直後にボタンやテキストリンクを手動で設置する方法も有効です。
ただしゴールページへのリンクボタンやテキストを無数に設置すると、ユーザーには疎ましく思われ、ページの離脱率は高まるので、やりすぎは厳禁です。誤クリックを誘発させる紛らわしい文言やボタンのレイアウトなども、クリックレート(CTR)は上がりますがCVRは当然下がります。
4.テキストリンクの場合、キャッチーなものになっているか
テキストリンクの場合、文言の内容が意味不明だったり、言葉足らずだったりすると、クリック率はぐっと下がります。
また、多くの人々のアクセシビリティやSEOの観点からも「こちら!」「→」等のあいまいでわかりづらいテキストではなく「お申し込みフォームへ」などリンク先ページの内容がわかるような文言を使いましょう。
5.コンテンツで提起した問題や願望の解決策として自社のサービス・商品を提示できているか
コンテンツマーケティングを実施する上で理想的なのが、記事本文はユーザーの悩みや漠然とした願望の考察や問題提起(需要喚起)で、最終的にコンバージョンさせたい自社の提供サービスが、願望を満たすor問題を解決するソリューション(解消するための仕組み)という形をとることです。
たとえば低反発枕を売りたい場合…
タイトル:不眠がちの人、必見!寝付けるコツ5つ
国民の5人に1人は「不眠」の悩みを抱えている、という統計があります。毎晩疲れているのにすんなり寝付けなくてお悩みの人も多いでしょう。
そんなときは、
- ○時間前に晩ごはんをすませる
- 寝る前に○○を伸ばすストレッチを軽くする
- ○時間前に○度のお風呂に○分入る
- 部屋の明かりを工夫してみる
- 寝る前にホットミルクを飲む
といった工夫で寝付きが変わるかもしれません。
しかし「地道な努力は面倒だ!」「とにかく手っ取り早く寝たいんだ!」という人には、当社の安眠枕「低反発安眠ピロー」がおすすめです!(商品へのリンク)
枕に頭を乗せた瞬間から、とろけるような夢見心地に…羊を数える日々に別れを告げましょう!
といった流れで商品を紹介すれば、ユーザーは納得づくで商品を買ってくれる可能性が高まります。
また、1の「無駄アクセスを生んでいないか」の段落でたとえ話として出した「有名芸能人Kさんについて調べました!」という薄い内容のコンテンツがありましたが、あのテイストの記事にもソリューションは存在するかもしれません。
たとえば最終段落に、
けっきょく有名芸能人KさんとAさん夫婦は仲良しだったみたいです!
ところで、「あの男性アイドルとあの女優カップルっていつ結婚するの?」「あの大物お笑い芸人と美人女優の夫婦って離婚の噂はないの?」といったことは気になりませんか?当サイトでは、どこよりも早く芸能界の事情通が暴露する「ブラック芸能メルマガ」を毎週会員様限定で配信中です!
といったメルマガの紹介文を載せ、同時にメールアドレス登録フォームを提示すれば、購読ユーザーを囲い込めるかもしれません。
6.ゴールページのリンクミスなど、ケアレスミスはないか
せっかくゴールページへのリンクをユーザーにクリックしてもらっても、
- リンク先が未公開・非公開で存在しない
- URLの綴りやディレクトリのミスでエラーが表示される
- 違うページに飛んでしまう
- ループしてしまう
等のミスがあっては台無しです。公開前には必ずリンクチェックをしましょう。
WEBサイトのコンバージョン率を上げるのって大変!
以上、WEBサイトやコンテンツマーケティング等でコンバージョンを上げる方法とチェックリストでした。
「コンバージョンを上げるのって大変!難しい!」
そう思った方も多いでしょう。そこで、コンバージョンUPの施策を自社で試すのではなく、いっそのこと外注してしまうのも一つの方法です。
当社スマートスタイル・コンプレックス株式会社では、WEBサイトのコンバージョンを向上させるコンサルティングや、コンテンツ提供(コンテンツマーケティング)、WEBサイト制作・デザインなどをワンストップでご提供しています。
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