不正なブラックハットSEOの後始末でやるべき実施リスト&結果報告
「とあるキーワードで今までGoogle検索の5位に表示されていたのに、15位になってしまった。この前そちらの提案で実施したサイト名変更が悪かったのでは?」
昨年(2019年)12月12日のGoogleアップデート後に、あるクライアントからこんな問い合わせがありました。
そこで当社は作戦会議を実施しました。
当社の業務範囲は「サイト移転」と「コンテンツ制作」だけだった…
まず当社SSCが担当した該当サイトの制作範囲は、「既存サイトのシステム移行」と「コンテンツ制作」が主なものでした。詳細はこんな感じです。
- サイトのデザインやコンテンツなど、内容はまったくいじらずにWordPressに移行
- 内部SEOのアドバイスと実施(サイト名変更など)
- コンテンツのロードマップ作成と記事寄稿、WordPress上の記事更新
該当のサイトでは受注時に懸念事項がいくつか見受けられましたが、それらの改善策についてはまた別の機会に…。
外部SEOは業務範囲外。けれどもブラックハットSEOの後始末はしておきたい…
当社は基本的にWEBサイトの制作とコンテンツマーケティングの実施、内部SEOの強化などをメイン業務とし、予算や規模感が異なる外的要因の調整(SNSでバズを生む、同業各社へリンク掲載を交渉する、各種ポータルにサイトを登録する)などは範囲外としてきました。
当社が外部リンク獲得よりもコンテンツ内容を重視する考えを持つ理由については、提供メニュー「内部SEO対策」の紹介ページをご参照ください。
最近はWEBサイト制作にはまったく関わらず、コンテンツマーケティング提供だけの案件も増えてきましたが、そういった場合、
「コンテンツ更新だけしても土台が整っていないから検索順位が上がらない」
といった由々しき事態に遭遇することも増えました。
今回の事案では、調査の結果、当社と関わる以前にクライアントが被リンクを増やすためにスパム行為をした形跡が見られました。
なぜ「不当な被リンク増やし」がいけないのか
まずGoogleのガイドラインにも準拠した「良いサイト」の条件を整理しましょう。
良いサイトの基本
- 「確度の高いコンテンツが豊富であるゆえに」サイトの信頼性が高い
- 「信頼性の高さゆえに」被リンクが多い(ときに外部サイトから引用されることも)
- メンテナンスを継続し、最新の正しい情報を提供しつづけている
- 法令やガイドラインに準拠した表現をしている
- 上記を守り続け、歴史が長くなればなるほど良質なコンテンツが蓄積されていくので、さらに評価が上がり、盤石になっていく
さらにライバルの同業他社サイトを調査し、該当サイトと比較したところ、信頼性の高いコンテンツがほかと比べてあまりないはずなのに、なぜか他サイトよりも被リンクが多いという大変不自然な状態であることがわかりました。
Googleに「価値の低いサイト」と判断され、検索順位を下げられるのは当然の結果です。
ブラックハットSEOの後始末で実施したこと
まずは被リンクの実態を調査しました。GoogleのSearch Consoleで確認すると、はてなブックマークの被リンクが異様な数を示していました。
はてなブックマークについては「無料のソーシャルブックマークでホームページのアクセスを増やす方法」で解説しているので気になる人はご一読ください。
クライアントにヒアリングしたところ、数年前にとあるWEB広告会社から、「希望するキーワードで上位表示できます」と売り込みがあったので、成果報酬制で料金を払う契約を結んだとのこと。その業者が実施した施策内容は関知していないが、クライアント側でサイト内部をいじった記憶は一切ないそう。ゆえに当社では、この業者が「被リンク増やし」をやったと推測しました。
その後、目に見えた成果が上がらなかったので、業者とはそれっきりの関係で終わったとのこと。
はてなブックマークで被リンクされた22ユーザー分のプロフィールを確認すると、1ユーザーは当社SSCのアカウントでしたが、ほかはすべてスパム業者のアカウントだと判明(その他のブックマークもスパムだった)しました。
Search Console上では被リンクURLを無効化できる設定があるので、スパムである21ユーザー分の被リンク無効化を実施しました。
それ以外にも膨大に被リンクがありましたが、どのサイトがスパム行為をしているのかが不明なので、SimilarWebというツールを使い、リンクしてきたサイトの規模・ランキング等の調査を実施。
さらに、どのページにリンクを掲載しているのか、サイトの構造はどうなっているのか、ミラーリング等の不正行為をしていないか、などを調査し、ごく簡易的なスパムの是非を判断し、怪しげなサイトのリンクは無効化しました。
また、クライアントには、業者と連絡が取れる状態なのであれば、元のブックマークを消してもらうよう交渉を依頼しました。こちらの進捗は不明です。
スパム被リンクの排除をした結果、検索順位は、なんと…
その後、年をまたいで2020年1月14日に再びGoogleアップデートが実施されました。
Later today, we are releasing a broad core algorithm update, as we do several times per year. It is called the January 2020 Core Update. Our guidance about such updates remains as we’ve covered before. Please see this blog post for more about that:https://t.co/e5ZQUA3RC6
— Google SearchLiaison (@searchliaison) January 13, 2020
クライアントからの連絡はありませんでしたが、自社でGRCという検索順位ツールでキーワード調査を実施したところ、該当キーワードの順位が元通り(15位→5位)どころか4位に上昇しているのがわかりました(1/17時点で計測するとさらに上昇して3位に!)。
Googleの中の人ではないので確かなことは言えませんが、今回実施した「スパム被リンクの排除」がある程度功を奏した、と言っていいのではないかと思います。
しかし、これらは抜本的な解決策とは言えません。なぜなら…
汚れたものをキレイにするには時間も手間もかかる。いっそ「再スタート」した方が良い
一度ブラックハットSEOで汚れてしまったサイトをホワイトに戻すには膨大な手間がかかります。最初にクライアントが関わった業者が悪質であれば、「ブラックな状態をホワイトにしてあげます」という名目でまた料金を請求してくる可能性もあるでしょう。
抜本的な解決をするためには、いっそ新しいドメインに移転してリスタートした方がましです。ただし、ドメインを移転すると、それまで得たホワイトな被リンクも無効になるので、完全な「0からのスタート」になります。
しかし汚れたドメインをキレイにするのは「マイナスからのスタート」です。
どちらが得なのでしょうか?
ブラックハットSEOの後始末でやったことリスト
今回の後始末でやったことリストを紹介します。
また、「本当はこれをやった方がいいリスト」も併記しておきます。悪質業者に騙されてブラックハットSEOをやってしまったサイト運営会社様は、ぜひご参照ください。
やったことリスト
- Search Consoleで被リンクを調査
- SimilarWebで被リンクサイトを調査
- 「はてなブックマーク」の被リンクユーザーを調査
- Search Consoleでスパムリンクを無効化
- Search Console内の不審な管理アカウントを削除(クライアントがスパム業者に権限を渡していた模様)
- クライアントからスパム業者へコンタクトを依頼
本当はやった方がいいリスト
- 新ドメインの取得と移転
- 不要情報の削除だけでなく、必要情報の追加、整理などの「サイト構造の最適化」
今回の事案を受けて、今後は受託時の「ブラックハットSEO調査」を実施します!
「業者にブラックハットSEOをやられてしまったので最初からやり直したい!」
そんな人は当社SSCにご相談ください。当社の内部SEO施策や、コンテンツマーケティングなどのサービスがおすすめです。
まずはお問い合わせフォームから気軽にご連絡ください。
また、今回の「ブラックハットSEO事件」を受け、今後SEO案件の受託時には事前の「ブラックハットSEO調査」を実施することにしました。調査内容の詳細については下記をご参照ください。
Smart Style Complex Inc.
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