デマンドジェネレーションに向けたWebサイトの最適化-JFE商事エレクトロニクス様の事例
JFE商事エレクトロニクス様は、国内外で半導体や産業用設備などを販売している技術商社です。社員に多くの技術者を抱え、お客様の課題に寄り添ったトータルソリューションを提案しています。この度、デジタルマーケティング推進の一環としてコーポレートサイトを大幅にイメージ刷新しました。SSCではWebサイトのリニューアルの総合的なお手伝いをしています。
スマートスタイル・コンプレックス株式会社
代表取締役副社長兼COO 岡部征爾
【issue】改善前のコーポレートサイトの課題
一目でわかりにくい
情報を探しにくい
活用されていない
▼
▼
▼
【effect】改善後の効果
ユーザー目線でわかりやすいトップページに
導線がスムーズになりお問い合わせも増加
全社的にデジタルマーケティング活用の機運が高まった
JFE商事エレクトロニクス株式会社とは
―御社についておしえてください
JFE商事エレクトロニクスは、グループ唯一のエレクトロニクス商社として、国内外で半導体や産業用設備などを販売している技術商社です。社員に多くの技術者を抱え、お客様の課題に寄り添ったトータルソリューションをご提案しています。(福島様)
当社は、半導体(デバイスソリューション・DS営業本部)を中心としていたビジネスと実装機、洗浄機、スマートファクトリーを中心とした(ファクトリーソリューション・FS営業本部)の2つの本部と、管理部で運営していました。2022年4月、デジタルマーケティング室を社長直下で発足。2つの営業本部と管理部門、そこに新たにデジマ室が加わり会社の主だった組織体となっています。
JFEグループのなかでは唯一のエレクトロニクス商社として、国内で100名、海外に100名、トータル200名弱の従業員がいます。そのうち約1/4がエンジニアの技術商社です。
(柳澤社長)
ミッションは「需要の創造」-コロナ禍でデジタルマーケティングの強化が急務に
―デジタルマーケティングを通して実現したいことは?
私たちのミッションは非常にクリアで、それは「デマンドクリエーションセンターの構築(※)」です。JEF商事エレクトロニクスは商社ですが、「需要を創造する」ことを目指しています。(柳澤社長)
※デマンドクリエーションセンターとは:デマンドジェネレーション(見込み案件の創出・発掘活動)を行う組織
―デジタルマーケティング室の立ち上げを今期からおこなった背景は?
2020年の1月、スマートファクトリーの製品(新製品)でリードを獲得したいニーズがあり、 LPを作るなど小さな部分からはじめました。ところがコロナ禍がきて、営業が外へ行けなくなってしまいました。スマートリールラック(※1)を売り出す必要があるなか、出社も制限される状態に。
世の中がデジタルマーケティングの方向に進み始めたのもこの頃です。当社も「マーケティング・コミュニケーションプロジェクトチーム」(※2)を結成し、マーケティングをしていこうとしたのがきっかけになります。(熊谷様)
JFE商事はそもそも鋼材や原料などを扱う会社です。デジタル販促というカルチャーがあまり必要とされていませんでした。当社独自の取り組みを始めたことで、デジタルを活用したマーケティングにおいて、グループ全体の先導役になれればという気持ちがあります。(海老名様)
※1 スマートリールラックとは:電子基板実装ラインに供給される、電子部品リール収納棚を電子化・情報化するラックシステム
※2 柳澤社長が名付け親のタスクチームで現デジタルマーケティング室の前身
「会社の顔」顧客目線のコーポレートサイトを目指して
―今回のリニューアルの目的は?
1つは顧客から見て、わかりやすい、検索しやすいサイト。顧客に有益な情報を伝えられるサイトにすることです。
2つ目は集客とリード獲得です。オンラインでの営業が対面営業にとって代わる中、BtoBを生業としている私たちも、営業手段の選択肢を幅広く検討しなくてはいけないという危機感があります。(福島様)
―Webサイトを通してユーザーに伝えたかったことは?
今回のサイトリニューアルを通して、トップページを一瞥しただけで、当社の取組や特徴・強み・目指す方向がユーザーに伝わるようにしたいと考えました。(福島様)
【伝えたかった4つの特徴】
- 私達の取組は単純に商品を売るだけではない
- グローバルにネットワークを有することで解決できることがある
- 技術者を抱えている
- 事業領域の広さ
―リニューアル前のコーポレートサイトが抱えていた課題は?
社内のWebサイトを改善する際、全社にアンケートで意見を募ったところ、コーポレートサイトのリニューアルにあたって、社員がそれぞれ不満を抱えていたことが初めて明らかになりました。なかでも「わかりにくさ」が一番多い意見でした。
何を事業としている会社なのか、一目で伝わりづらいトップページになっていました。
「どんな特徴があり、何を目指していて、どのような強みを持っている会社なのか」
一瞥したときに理解しづらいページだったのです。(福島様)
メンテナンス性の悪さ
サイトのメンテナンス(新情報の追加、古い情報の削除等)を全て外部に頼っており、タイムリーに情報を提供できない問題がありました。メンテナンスしづらい構成のため、情報が古いままになっている傾向がありました。(福島様)
探しにくさ
長年リニューアルされておらず、つぎはぎ状態で維持してきたため、全体の統一感や製品毎の深さがまちまちで、会社の『顔』としては好ましくない状態でした。結果として、顧客にとっても情報を探しにくいサイトになり、問い合わせも少なかったように思います。
サイトの階層の深さも大きな課題でした。SEO対策をするにあたって、階層が深すぎるのでGoogleの評価が悪い。そのためにリニューアルが必要だとわかりました。特定製品でのSEO対策としてLPの作成などは行いましたが、不十分で限界があり、サイト全体でのSEO対策を考える必要があったんです。
当初は顧客が必要としている「製品・ソリューション」を探しにくい構成となっていました。問合せフォームが全社で一本化されており、大量にある製品群から製品を顧客に選択していただく必要性がありました。顧客にとって問い合わせのハードルが高いことも課題でした。(福島様)
社員の関心が得られない
これまでは、Webサイトに対して、社員の意識がそれほど向いていませんでした。営業活動をするうえで、あくまで副次的ツールとして捉えている風潮があり、営業活動にサイトを積極的に使っていく姿勢はありませんでした。(福島様)
ユーザーとして「使いやすい」と感じたサイト-SSCとの出会い
SEO対策をするにあたって、階層が深すぎるのでGoogleの評価が悪いという問題を改善するため、リニューアルを検討していました。MA(マーケティング・オートメーション)を、HubSpotに切り替える際にSSCさんに初めて声をかけました。そして2021年の9月くらいからコーポレートサイトの改訂に取り掛かり、課題の洗い出しを行いました。
- トップページを変えたい
- ユーザーが探している情報は何かを見つけたい
- ユーザーが探している情報をコンスタントに発信したい
- ユーザーの課題解決をサイトを通してやっていきたい
企業としてのブランディングというよりも、「お客さんの利益が当社の利益につながる」という思いから、このような視点での改善を考えていました。(福島様)
大手で有名な企業よりも、自社のビジネスをよく理解してくれるところに依頼したいという希望がありました。そこで、全社にアンケートを取って、自社のビジネスに合うようにRFP(提案依頼書)を作り込んだのです。(熊谷様)
いただいたRFPを見たときに、皆さんの本気を感じました。大変作りこまれていたので、提案のしがいがありました。(SSC・岡部)
まず、候補に挙げたベンダーを10社ほど、すべてスコアリングして強み弱みを把握しました。マトリクスの表にし、客観的に見て我々のビジネスに一番フィットしているところはどこなのだろうと。そこでSSCさんを選びました。(熊谷様)
―SSCのサービスに興味を持っていただいたきっかけは何ですか?
SSCさんに興味を持ったきっかけは、当社がデジタルマーケティング関連のコンサルティングを依頼しているA社のWebサイトを、SSCさんが運用されていたことです。
私たちがコンサルタントを探していた2021年の4月ごろは、まだまだデジタルマーケティングに関して、インターネット上に明文化されている情報が少ない時期でした。
マーケティングのコンサルタントを探す際に苦労したのが、マーケティング自体のスコープが広いことです。どの分野で誰が何に強いのかが明記されているサイトは、ほぼありませんでした。そのため毎回コンタクトを取って、話をお伺いして、ここはスコープがマッチしそうだなとか、ここは違うなという工程を踏む必要があったんですね。
しかしA社のサイトは、デジタルマーケティングを社内に導入する段階別に、Webサイトの導線が分けられていたため、すぐに必要な問い合わせフォームにたどり着けました。たくさんのコンサルタントを探す中で、すごく考えて作られていることがわかったんです。
サイトリニューアルの際、それを思い出して、A社の担当者さんに運用している会社をお聞きし、SSCさんをご紹介いただきました。(福島様)
「担当者の働きやすさ」がポイントに-SSCを選んだ理由
―SSCを選んだ1番の決め手はなんですか?
いろいろなベンダーさんのなかから、SSCさんとB社が同点で残りました。顧客目線で導線設計の改善を提案してくれたのがこの2社でした。
B社は技術系のライターをたくさん抱えていて、私たちのような技術商社に多くの顧客を持っている会社です。模範的な面で安心感がありました。
一方、 SSCさんは、私たちの成長につながるような情報をご提供くださいました。必要な情報が入ってきて、社内にノウハウが蓄積されて行きますし、私たち目線でご提案してくださる面がありました。
Web担当者にとって、サイトを作るために必要なのはやはり「働きやすさ」です。模範的で安心という点ではB社が優勢でしたが、レスポンスの速さと風通しのよさというポイントは限られた時間の中でよいサイトを作るためにとても重要だと感じていたため、社内を説得し、SSCさんに決めさせてもらったんです。
最終的に「担当者が動きやすい状況を作ることが大事」という判断に至ったことはプロジェクトを推進するうえで大変ありがたい状況だったと感じています。(福島様)
【後編】では、コーポレートサイトのリニューアルがもたらした効果についてご紹介しています。