ウェブサイトに関する論文を探してみたけれど…|論文の見方・探し方(その8)

論文の見方・探し方

論文の見方・探し方

前回の記事[インターネットで論文を探して読む方法|論文の見方・探し方(その7)]に引き続き、学術論文についての情報を紹介します。

今回はシリーズのまとめとして、ウェブサイトについて調べた論文を紹介しようと思い、いろいろ論文を探してみました。

1つの論文だけじっくり紹介しようかと思いましたが、探してみるとやはり紹介する自分自身にとっても(前提知識がなく)難しい内容なので、ざっと3つほど紹介します。

1.オンライン上顧客体験についての論文

Roseらの論文(Online Customer Experience: A Review of the Business-to-Consumer Online Purchase Context)

まずはマーケティング寄りの論文がないか、調べました。Google Scholarを使い、「consumer decision website search」のキーワードで探した結果、この論文が。無料で全文が読めました。

この論文では、まだ確立していない「オンライン顧客体験」という言葉について、どういう言葉なのかまとめたり、似た言葉をまとめたり、さらに何が重要なのかまとめています。

総説の形式を取っているので、先行して出された120の論文を調べ、それ以外の論文も含めて引用しています。

面白いと思ったところは、オンライン顧客体験は「顧客満足」と「再購入意思」につながる、ということです。中でも再購入意思が最終的な目標となると述べられています。

通販などのウェブサイトでは、ただ商品を購入してもらうだけでなく、また来てまた購入してもらうことが大事なのだなと再認識させられますね。

また、「オンライン顧客体験」に影響するものとして、次のようなカテゴリ(一例)が挙げられています。

  • 使いやすさ
  • 役立ち感
  • お得感
  • 顧客の信用しやすさ
  • 顧客の統制感
  • リスク
  • 楽しみ

このような観点で、ウェブサイトについて考えてみる、さらには評価してみるのも面白いかもしれません。

2.ウェブデザインへの意識に対する地域差・男女差についての論文

CyrとHeadの論文(Website design in an international context: The role of gender in masculine versus feminine oriented countries)

この論文は著者が全文を公開していました。

内容では、ウェブサイトに対する意識の男女差について、男性らしさの指標が異なる6つの国で比較されています。

ウェブサイトに関する指標として、以下の点に注目されています。

  • 情報コンテンツ
  • ナビゲーションのデザイン
  • ビジュアルデザイン
  • 信頼度
  • 満足度

結果として、利用者の年齢や教育レベル、オンラインショッピング歴よりも性別の方がウェブサイトに対する好みに大きく影響しているのは、面白いと思います。対象とする性別を設定してデザインを行うのは大事だと確認できました。

コンテンツやナビデザインも重要だという結果も興味深いですね。

3.観光ウェブサイトについての論文

Luna-Nevarezらの論文(Common practices in destination website design)

この論文も機関リポジトリにコピーファイルがあるため、無料で読むことができます。

1と2の論文の中身はいかにも論文、といったテイストでしたが、この論文はウェブサイトのデザイン画像を論文に載せていて、読みやすい印象です。

この論文は観光とウェブの関係に着目していて、世界で上位の観光都市で観光誘致団体それぞれが運営するウェブサイトを評価しています。

この論文でも同様に、次のような指標でウェブサイトがカテゴライズされています。

  • サイトの主なフォーカス(情報提供かサービス提供か)
  • デザイン
  • ナビゲーションの機能
  • 文字情報
  • 広告
  • その他機能(SNS、天気、地図)

キーワードやボタン、画像の数についても細かく調べられており、3つの論文の中でも1番読み応えがあったと思いました。
「ウェブサイト」という、アカデミックとは無縁そうな分野でも、このような論文があることに驚きました。

おわりに

ウェブの分野はまだまだ日が浅く、よりビジネスに大きく関わるものなので、面白い論文自体まだ少ないと思いましたが、いかがでしたでしょうか。

(内容に関して100%の正確性を保証していません。情報は必ず元の論文を参照してください。また、専門用語の訳語に関しては正確性を保証していませんのでご了承ください。)