デザインの基本、ジャンプ率についての考察

こんにちは、E-さんです。

今回は僕ら制作する人を助けてくれる、デザインにおけるジャンプ率と言う手法についての考察です。
ジャンプ率。WEBの現場だけではなく、すべての情報を伝える媒体のデザインに使われています。
情報をいかに効果的に発信するのか。その手法の一つとしてのジャンプ率を考えてみました。

フォントのジャンプ率とは?

フォントにおける「ジャンプ率」とは本文の文字サイズに対するタイトルや見出し文字サイズ、大小の比率のことで、意図的にそれぞれのサイズを変化させることにより伝えたい情報に強弱をつけることができます。
また、単純に見出しと本文の大きさの差におけるバランスだけではなく、その見出しが画面の中でどこに配置されているのか、本文はどの部分に置かれているのかなどによって見える画面全体のデザインに影響を与えます。

例えば本文が12pxで小見出しが24px、大見出しが36pxだとすると、小見出しの本文に対するジャンプ率は2倍、大見出しは3倍となります。比率でみると「1:2:3」です。
このジャンプ率が大きい程、要素と要素の区切りが掴みやすくなりますので、読み飛ばしやすくなります。つまり要素から要素へ視線がジャンプしている訳です。
一般的に大きなジャンプ率は躍動感、華やかさ、若々しさ、明るさを印象付けます。

若々しく躍動的なキャラクターの情報を閲覧者にアピール、説明する場合には華やかで躍動感のあるデザインが必要です。
このようなイメージを持つ情報を伝えるには必要なところを強調しつつ、また、それほど重要でないところは飛ばし読みできる状態が作れる大きなジャンプ率を持つ文章構成が有効です。
巧みに緩急がつけられた文章の内容はとくにストレートに読み手に伝わります。

小さなジャンプ率は落ち着き、高級感、格調、信頼、安定、緊張を感じさせます。
正確に細部まで伝えたい情報にはジャンプ率の少ないデザインが自然です。見出し、タイトルと本文の適切なサイズバランスは読み手にその内容の信頼感を与えることもできます。
ボリュームのある文字の塊のような文章の中では長い階段の途中にある踊り場の役割も果たし、読み手の疲労感を軽減するでしょう。
圧倒的な文字量の読みにくい文章を、読みやすくしようと工夫する配慮こそデザインの大切な役割の一つで、そこに書かれている文章、ひいてはそのサイト全体の印象にも影響を及ぼします。

配置されたオブジェクトにも使える?

また、フォントのみならずそれぞれ配置されるオブジェクト、画像、写真のサイズにもジャンプ率の観念は存在し、重要です。
写真やイラストなどのオブジェクトのジャンプ率もフォントのジャンプ率と同様、伝えたい情報の優先順位を明確にし、強調したいポイントを絞り込むことができます。

そして余白とは?

ジャンプ率を最大限に生かすには適当な余白の設定も必要です。ホワイトスペースは無駄なスペースではありません。余白を効果的に使うことで、閲覧者が気持ちよく読み進めることのできるデザインになります。
ゆとりのあるレウアウトを行うことで、他の要素と近すぎて窮屈な印象を与えてしまうことを避け、いかに可読性の高いデザインをしながらページを作るか、が大切なテーマです。

適切なジャンプ率が施されたデザインは使いやすさ、読みやすさなどのユーザビリティを大きく改善し、軽々と閲覧者を伝えたい情報に導くでしょう。パソコンではなく、iPadなどのタブレット端末やスマートフォンなどのように狭い画面を使っての情報発信にはとくに効果を発揮します。
一番伝えたい情報を上手に操作すること。ジャンプ率の観念、重要です。

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E-さん

E-さん

デザイナー
デザイナー。埼玉県在住。最近考えること:WEBサイト構築におけるそれぞれのページ及び、サイト全体に流れる太いストーリー。好きなことの1つは写真を撮ること。もっとたくさん撮らなければと。